船宿に来るメール

釣り人はマル秘がお好き

地下鉄を降りて地上に出ると、大粒の雨が降っていた。入口こそ路地で目立たなかったが、門前仲町のオフィスは入ってみるとかなり広く、どう見ても月々の家賃は50万以上。だだっ広いフロアにパソコンが20台ぐらい置いてあり、社長の他に2人の社員とアルバイト数人がいた。

『これは毎月の維持費だけでも、かなりの金額だな』

謝罪のあと、安藤社長からいろいろ話を聞いたが、アタシは、この会社が黒字になるには最低200年かかると確信したね。よくもまぁ、こんな事業計画に銀行が金を貸したものだと呆れてしまった。だって、隠し球が何もないんだもん。社長の経歴は立派だけど、あまりにもやろうとしていることに採算性がなかった。

その後、一緒に食事をして、「あなたも事業に参加しないか」と持ちかけられたけど、アタシは適当にお茶を濁して帰ってきた。まるで成功の可能性を感じなかったからね。(このとき資本金6,000万のうち、どれだけ借りたかは知らないが、相当な金額を借りていたらしい)

それから2年後の今日、アングラーズ・ジャパンは、すでに存在していない。やはり、釣り業界をナメたシロウト考えだったのだ。船宿は単純に釣果だけを比較されるのを嫌う。それに、できるだけ“自社のページだけ”見てほしいのだ。釣果比較サイトなんかお呼びじゃないのさ。

案の定、アングラーズ・ジャパンと契約する船宿は、ごくわずかだった。それに、オカッパリ爆釣情報なんて、美味しいエサを撒き続けなければ集まるはずがない。本当に使える情報など、誰もオモテに出さないことぐらいわかりそうなもんだけどね。

だからアタシは、全国規模の「釣りのポータルサイト」なんてものは、今後もうまくいかないと思っている。釣り人はマル秘が好きなんだよ。

さて、今日のことだが、最初に紹介したメールを見て『ふと』思い出し、安藤氏とアングラーズ・ジャパンが、その後どうなったかを検索してみた。すると、Google で下のページが見つかった。7/11のところを読んでごらん。上から2番目の記事だ。

http://mediazone.tcp-net.ad.jp/danbo/news292.html

【船宿に来るメール】終わり