松井秀喜スッパリ決断-2

パシフィックリーグの悲劇

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2002年11月2日

日本では少子化が進み、野球に代わってサッカーの人気が上昇しつつある。最近、子供が野球をやっているシーンをまったく見なくなったのはアタシだけだろうか? もしかして、小学校で野球は教えていないのだろうか?

共同通信社(2002.10.1)

米ウォールストリート・ジャーナル紙がこのほど、米国成人のスポーツの嗜好調査結果を公表し、米プロフットボールの NFL が27%の支持を得て「最も好きなスポーツ」に選ばれた。2位は14%で大リーグ、3位は11%で米プロバスケットボールの NBA だった。

同様の調査は1985年から継続して行われており、NFL は前回98年の26%から今回は1ポイントの上昇。大リーグは98年の18%から4ポイントのダウンとなった。

85年と2002年の比較になると、NFL は24%から27%と3ポイントのアップ。大リーグは23%から14%と9ポイントの大幅減少となり、同紙は「NFL の人気は高率で推移しながら上昇。大リーグはダウン傾向」と指摘している。

それではなぜ、NFL の人気が上がって、大リーグの人気が下降線をたどっているのだろうか? その辺を詳しく解説しよう。NFL のドラフトは、戦力の均衡を保つため、前シーズンの最下位チームから順番に指名を行う完全ウエーバー制で、現在はサラリーキャップも設けられている。(リーグ総収入の一定割合が全チームに均等配分され、その額がサラリーキャップ額となる)

だから、どのチームも選手獲得にかけられる金額が同じなのだ。すると・・・、クォーターバックに大金を払ったチームのディフェンスが弱かったり、ディフェンスにスーパースターを揃えたチームの攻撃がショボくなったりする。

これなら白熱するに決まってるよね。完全無欠のチームはないから、どこが優勝するかシーズンがはじまってみなければわからない。田舎町のチームでも戦力が充実してるから、一生懸命応援したくなる。たとえ今年最下位になったとしても、来年は必ずスターを獲得できるし。

一方、大リーグはサラリーキャップ制が選手会のストによって阻止されたため、金のあるチームほど強いのが当たり前。FA権を獲得した選手の年俸は青天井になっている。そして、この年俸の高騰が戦力の格差を広げ、ファンに興味を失わせているのだ。

じゃあ、日本はどうかというと、巨人さえ強ければ万事オッケーという体制で大リーグよりさらにヒドイ。選手はセントラルリーグにいればなんとか有名になるチャンスがあるが、パシフィックリーグとなると、ホームラン王にでもならない限り、巨人の二軍選手並みの知名度になってしまう。(いや、巨人の二軍選手以下だろう)

皆さんはオリックスの谷がどんな選手か知っているだろうか? 名前は聞いたことがあるかもしれないが、おそらく街ですれ違ってもわからないだろう。谷はヤワラちゃんの彼氏ということで初めて有名になったが、実はかなりの実力者だ。まず、シーズン安打数は松井の167本を上回る171本でリーグ2位。盗塁数は41で、堂々パシフィックリーグの盗塁王。(セントラルリーグの盗塁王、赤星選手は26)

ああ、それなのに、それなのに、ヤワラちゃんの彼氏になって、やっと名前を知られるようになったのである。あまりにもかわいそうじゃないか。基本的人権の侵害に近いよ、これは! つまり、パシフィックリーグは巨人と大リーグの二軍みたいなものだ。選手達は観客がまばらなサブーイ球場で、いつか巨人か大リーグに入ることを夢見て、ひたすら個人記録を狙う毎日。

チームプレイなんてクソくらえさ。テレビにたっぷり映りたかったら、全打席ホームランを狙うか、パーフェクトゲームでもするしかない。足の速い選手は、点差に関係なく盗塁を狙うだろう。だから、余計にパシフィックリーグの野球はつまらなくなる。これじゃ、完全に悪循環だ。境遇が違いすぎるから、野球の質まで大雑把になってしまうのである。

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