たそがれ清兵衛の感想

邦画もたまには

2002年12月2日

きのう見損ねた【たそがれ清兵衛】を観るために平塚へ行った。午前中だったので、きのうのような渋滞はなかった。10時15分からだったが、まずは一緒に観ていた客層にビックリだ。50代、あるいは60歳以上の人が4, 50人。20代、30代はひとりもいず、40代ぐらいに見える人がアタシの他に2人いただけだった。こんなこと海老名じゃあり得ない。

映画を観て、おばさん達、泣きじゃくってたよ。声を出して泣くほどじゃないと思うが、方々で泣きじゃくってた。決して悲しい結末じゃない。でも、なぜかジワーッと目に汗をかいてしまうようなストーリーなんだ。なにか遠い昔に置き忘れてきた感情を呼び起こされたような気がするね。そして、『こうなって欲しい』と、みんなが願った結末が最後に語られる。

『そうだよ、そうこなくっちゃ!』

客席に安堵感が広がっていった。知らず知らずのうちに涙腺がゆるむ。全体的に抑えられた黄昏時のトーン。その中に光る物がいくつか。特に宮沢りえの表情。首筋に光る汗、五歳の娘の可愛い瞳が印象的だった。

うーん、終わり方がイイ。月山の雪景色と人力車。「あそこはもっとこうすればいいのに」と言いたくなるようなシーンはなかった。その辺は非常によく考えられている。細かい描写にも無駄がない。そして、ハリウッド映画のご都合主義のような場面も一切ない。シーンの過不足がなく、非常に繋がりよく仕上がっている。

殺陣のシーンが短めにカットされているので、ここをもう少し長く観たかった・・・という意見もあるようだが、多分これで良かったのだろう。殺陣が最大の見せ場じゃないのだ。その次のシーンにもっていくための布石だからね。(これ以上は言えないが)

でも、【たそがれ清兵衛】には、現代人に当てはまるメッセージがないような気がする。勇気づけられたとか、希望がわいてきたとか、そういう感動はない。ドラマとしては良くできていたと思うが、「昔の貧しい生活の中にも一筋の光明がある」というメッセージしか伝わってこないんだよ。その辺がちょっとマイナスかな。まあ、感動できればそれでいいんだけどね。

評価は A。アタシはエンターテイメントとしての面白さを一番重視するので、最高評価には届かないが、ここ2ヶ月間に観た映画の中ではトップクラスの出来映えだと思う。

映画終了後

映画が終わって外へ出たら、ハリーポッターを観に来たガキの洪水に押し流されてしまった。コイツら映画に出てきた子役とは明らかに違う生き物だ。ワガママで小憎らしくて、大人をなめてやがる。

それから、「たそがれ殿」って現代にもいそうなキャラクターだと思った。アタシの周りには見当たらないが、職場などに「たそがれ殿」に近い人がいれば、もっと楽しめるかもしれない。

続編:「たそがれ清兵衛の時代考証」