記憶について考える

【青い春】【メメント】

2003年1月17日

今日は映画を2本観ました。いつもなら簡単な感想を書いて終わるのですが、今日は映画をヒントに、記憶について考えてみることにしましょう。

2本の映画はまるで違うタイプでした。1本は過去の記憶を呼び覚ましてくれる映画で、もう1本は記憶について考えさせる映画。

まず、映画を観て気付いたのは、人の信条とか、目標といったものが、すべて記憶の産物だということです。今を生きることも、将来について考えることも、記憶なしでは難しい。過去の記憶がないと、どうやって生きていいのかわからなくなってしまうのです。

そして、次に考えたのは、人間から見て下等な生物達にも、ちゃんと記憶力があるのはなぜかということでした。たとえばイカがエギにスレるのも、今を生きるために必要だからに違いありません。もしヤツラの DNA に『エギに触れてはいけない』という情報が刷り込まれているとすれば、イカをエギで釣ることはできないのです。

ただし、イカの記憶力は、さほど良くないのかもしれない。たまに触腕のないイカが釣れることがありますが、あれはイカがどんなに怖い思いをしても、いつかエギの恐怖を忘れることを意味しています。

いや、待てよ。もしかすると怖いモノ見たさの好奇心が人間以上に強いからなのかも・・・。実はイカから見ると人間の方がはるかに下等な生物で、イカ釣り師の方が適当にあしらわれている可能性だってあります。

『おっ、またエギが来たみたいやイカ。ちょっくら揉んごうイカ』

『なんだ、またアイツやイカ。よくも懲りずに毎日来るやイカ』

『バカめ、興奮してる、興奮してる! 顔を真っ赤にスルメイカ』

『アオってやろう。エギに乗っかるフリをして一瞬マツイカ』

『ヤリー! 引っかかったぞ。思いっきり空アワセしてる』

海の中で人間をあざ笑うイカ達。みなさんは想像したことありますか? 人間が地球上でイチバン高等な生物だと決めるけるのは、地球外生物から見れば間違った考えかもしれません。

「じゃあなぜエギでイカが釣れるのか」って?

実は、人間に釣られるイカなんて、全イカ類の数から見れば、ほんの一握りに過ぎないのです。エギの恐怖を知らないイカがたまたま釣れるだけなんですよ。

「じゃあなぜ触腕のないイカが釣れるのか」って?

イカの一生を1年、人間の一生を70年と仮定すれば、イカの記憶力がイカに優れているかがわかるでしょう。人間とは所詮ものさしが違うのです。うちの母なんて、イカ以下かもしれない。だって、冷蔵庫の方に歩き出したかと思ったら、「アタシは何を取りに行くんだっけ?」なんて言ってるんですから・・・

青い春

ヴァージンシネマズ・セレクト2002にて鑑賞。

これは2002年に公開されたミニシアター系の作品から VIRGIN CINEMAS が選んだ作品を1000円でもう一度観られるという特別企画です。劇場も Premium Screen という豪華な劇場を使用するので、とてもリッチな気分が味わえました。ゆったりとしたリクライニングシートは、テーブルまでついていて、映画を観ながらカクテルやビールが飲めるのです。(普段の映画鑑賞料は2400円)

さて、そろそろ映画の話に移りましょう。【青い春】はアブナイ学園生活を描いた作品で、かなりブッ壊れた映画でした。破壊的なロックが大音響で鳴り響き、学校の壁は落書きだらけ。シンナー遊びや暴力が日常茶飯事という荒れた男子校が舞台です。

そこで少年達は危険な遊びを・・・

アタシは、家に帰ってから主演の松田龍平が松田優作の息子だということを知りました。そういえば眼差しが親譲りでクールでしたね。将来どんな俳優になるか楽しみです。

この映画を観ると、屋上のシーンが過激だと感じる人もいるでしょう。しかし、実際に高校時代、“あれ”より危ないことをやったことがあります。幅15センチほどしかない屋上の塀の上を歩いたり、嘘つきを屋上から吊したり・・・。

今考えると、心臓が凍りつきそうですが、先生が「お願いだから止めてくれ!」と泣いて頼んむのを面白がったことを思い出します。実際に男子校では、“ああいうこと”があっても不思議じゃありません。女の子がいないから歯止めが利かないんです。どこまでも冷酷になったり、死をも恐れぬスリルの虜になったり・・・。

どういう人にこの映画を薦めていいのかわからないけど、高所恐怖症の人と暴力が嫌いな人と潔癖性の人にはオススメできません。また、とてもテレビで放映できる内容じゃないので、テレビ放映を待っても無駄だと思います。内容に子供が真似すると危ないシーンがあるんですよ。

評価は70点。アタシはちょっぴり懐かしさもあって考えさせられました。『けっこう高校時代は過激なことやってたなぁ』と。

ここでちょっとラーメン・ブレーク。

今日は ViNA WALK の全国ご当地らーめん処にある、九州ラーメン柳屋(大牟田)に行ってみました。アタシは、券売機で「ネギラーメン」(700円)の食券を買ってテーブルに・・・。

『あれれ、なんかちょっと他の店と違うぞ』

まず驚いたのはドンブリの小ささでした。普通のドンブリを100とすれば、およそ75しかありません。そして、出されたラーメンを見てまたビックリ。真っ白いトンコツスープは想像できましたが、麺が素麺みたいに細いのです。

『ん? これは、天一風・・・』(天一は京都ラーメンのチェーン店)

柳屋のスープは骨の髄まで搾り取ったような独特の臭みがあり、好き嫌いが真っ二つに別れそうな味。アタシはどちらかというと、この臭みが苦手なので多分二度と行かないでしょう。でも、世の中には天一中毒の人もいるんです。腹をこわしてでも食べたいと言うんですから、“諸刃の剣的な味”ということにしておきましょうか。

そうそう、あと、もうひとつ驚いたのは、「替え玉!」と言うお客さんが多いことでした。これで素麺みたいに麺が細い理由がわかりましたよ。「替え玉!」と言うと、およそ30秒で麺をゆでてくれるのです。ちょっと量が少なめなのは、替え玉(150円)を売るための作戦かな?

メメント

再びヴァージンシネマズ・セレクト2002にて鑑賞。

これは、映画を見終わった途端に、終わりから逆に見直したくなる映画でした。つまり、冒頭のシーンがラストシーンなのです。アタシはそれを事前に知っていましたが、それでも事件の全貌がよくわからないまま映画館を出ました。いったい主人公レナードの妻を殺したのは誰だったのか?

ここで、映画の宣伝文を紹介しましょう。公式ホームページ

インディーズ作品として、全米で異例のロングラン・ヒットを記録した新感覚の犯罪スリラー。わずか10分間しか記憶を保てない男が、忘却という見えざる敵と苦闘しながら妻殺しの犯人を追い求める。そんな異色の物語とともに演出も極めて斬新。組み上がった物語をバラバラに解体し、順序を無視して部分ごとに抽出、つまり、観客は主人公と同じ“記憶障害”を体験することになるのだ。

主人公レナードの症状は、ある事件を境にハードディスクに書き込みができなくなったコンピューターというカンジです。レナードの RAM はおよそ10分間しか記憶を保てず、古い記憶がドンドン消去されていきます。

映画は、およそ10分間ずつ時間が正常に流れますが、シーンが切り替わるたびに過去にさかのぼっていくという独特なスタイル。記憶力がいい人でも、時間の経過とともに、だんだん混乱していくでしょう。

最後まで観ると、『そうだったのか・・・』と一瞬霧が晴れたような感覚を味わえるのですが、映画館を出た途端、『もう一度観たい!』という願望が湧いてきました。(自分を納得させられないことに悩むんだな)

待てよ・・・。レナードの奥さんは本当に殺されたのだろうか? もしかすると、それさえも記憶障害を持つ男の、あいまいな記憶に過ぎないのではないだろうか? レナードの記憶として描かれるサミーという老人は?

『ああ、もう一度見直したい!』

これはもう、DVD を買って何度も見直さなければ納得いきません。いったい何が確かなことなのか、まずそこを見極めてから謎解きをしなければ。いや、何度見直したところで、結局は謎が謎を呼び、複数のストーリーを自分で組み上げる結果になるのかも・・・。

『そうだ、それが作者の狙いに違いない』

とにかくこのアイデアは凄いです。映画ファン必見でしょう。おそらくこの映画を見るために何度も映画館に足を運んだ人がいるはずです。繰り返し観ることになるので DVD を買う価値がありますね。

評価は過去最高の96点。これは映画以外では絶対表現できないストーリーです!