戦場のピアニスト

The Pianist

2003年2月18日

【戦場のピアニスト】は実際にゲットーで育った監督が撮ったということで、とても現実味がありました。ナチスドイツの鬼のような非道さ。ガリガリにやせ細ったユダヤ人主人公が見せる迫真の演技。そして廃墟に響くショパンの旋律。この映画を観て感動しないのはドイツ人だけじゃないかというぐらい、世界に通用する崇高な芸術だと感じました。

最近の映画では【ギャング・オブ・ニューヨーク】に残虐性の面でやや似ていますが、不思議と目を背けたくなるほどではありません。きっと、使われている凶器がナイフや棍棒と違って、一瞬にして人の命を奪う銃だからでしょう。

とにかく“戦争”の奥深い現実をまざまざと見せてもらったという気がします。これはブッシュ大統領に是非観てもらいたい。この映画を観て、イラクとの戦争を思いとどまって欲しい。そのために、このような芸術作品があるのではないかと・・・

アタシャもう、涙が溢れて止まりませんでした。無理矢理泣かせようとはしてないのに、どうにもならないのです。ただただ現実をリアルに描き出しただけなんですけどね。これは実話に基づいた話なのです。

ピアノを弾くだけが取り柄で、逃げ隠れしながら戦争の終わりをひたすら待つだけの主人公。彼を匿ってくれる人はみんな優しい人達なのに、全て殺されてしまいます。なにか主人公の目を通して、監督の悲痛な心の叫びが聞こえてくるような気がしました。

必ずもう一度観ますよ。評価は「すばらしい!」の一語に尽きます。

もしアタシがアカデミー賞の審査員だとしたら、他を観る前に最優秀作品賞に決めてしまうでしょう。どこの映画館で観ても、エンドロールが終わって劇場の灯りがつくまで、誰も席を立たない、いや、立てないはずです。

そして、誰かが拍手したら、それにつられてみんなも拍手するに違いない。実際、カンヌ映画祭では15分間もスタンディングオベーションが続いたということですから、この感想はそれほど大袈裟じゃないはずです。

セットの規模や音響も素晴らしいので、是非、映画館でご覧ください。