ラヴァーズ・キス

鎌倉を舞台にした青春映画

2003年7月9日

今日は映画の試写会で鎌倉まで行って来た。まだ明るいうちに着いたので、しばらくは街の様子でも眺めてみよう。

『同じ神奈川県内でも、ずいぶん違うなぁ……雰囲気が』

どこが違うかというと、まずは街を行き交う人力車だ。アタシは額に汗して働く若者を久々に見た。

『あっ、これだよ。これでなきゃイカンのだよ』

鎌倉駅

駅舎の時計が古都らしいたたずまいを見せている。江ノ電のデザインもクラシカルで、街の雰囲気の一部だ。三方を山に囲まれ、唯一、海の方角だけが開けた天然の砦「鎌倉」。ここには独特な雰囲気があり、行き交う人々も、なんとなく品が良さそうに見えた。

江ノ電

さて、試写会の会場

青春映画ということで、アタシなんか場違いという雰囲気である。あれっ? オバサンもいるじゃないの。『よぉーし』と思ったら、高校生らしい娘さんを連れていた。

『あやや……やっぱし場違い』

18:30。人波に紛れて会場へ潜入。

『早く暗くなってよ』

でも、映画がはじまる前に及川中(おいかわ あたる)監督の舞台挨拶があった。(あとで考えてみると、監督の話があるのとないのじゃ大違いだったと思う)

鑑賞後…

なかなか後味のいい映画だった。心に残るメロディーがいくつかある。誰のなんという曲かわからないけど、映画を観終わって2時間経っても……その曲が耳から離れない。甘いんだ。ゆったりとした古都“鎌倉”にふさわしい時の流れを感じさせながら……、湘南の凪いだ海にプカプカ浮いているような……、月を眺めながら……、遠い過去に想いを馳せているような。

なんとなく、そんな気持ちにさせてくれる曲だった。

そして、そして、ビックリするほどうまいの。……出演者のみんなが。若いのにジャリタレの演技じゃなかった。特に、主人公の妹を演じている宮崎あおいは、【害虫】('02)で三大陸映画祭主演女優賞を獲得したという天才。それから、主人公の親友役で登場した市川実日子の眼差しには強烈な個性を感じる。彼女も【blue】('03)でモスクワ国際映画祭・最優秀女優賞を受賞した実績があり、不思議な魅力に溢れていた。

えっ、主演の平山あや? 3人の中ではルックス最高でしょ。演技は助演の二人に負けるけど、決して下手じゃないよ。上戸彩よりはずっとうまい。それで思い出したけど、男優の方は【あずみ】に出てきた、うきは役の成宮寛貴と、ながら役の石垣佑磨だった。

この映画に出てくる俳優もそうだけど、最近の若手俳優たち……、窪塚洋介とか、竹内結子とか。『なかなかやるなぁ』と思う。何気ない仕草で痺れるような演技を見せてくれるんだよね。日本映画も捨てたもんじゃない。金はかかってないけど。

最後に

ラヴァーズ・キスには携帯電話が一度も出てこない。そのおかげで、どの世代の人も青春時代に思いを馳せることができる。監督が舞台挨拶で言わなきゃ気付かなかったと思うが、この配慮はうれしかったな。

つまりね、携帯電話がなかった頃と今じゃ、青春時代がまったく違うわけよ。携帯電話やテレビゲームにお金を使っていなかった僕らは、あらゆる面で今の若者たちと違う生活を送っていたんだ。(特にアタシは中学高校が男子校だったし)

だってさ、携帯電話なんて『あったらいいなぁ』とさえ思わなかったんだ。別に不便とも感じなかった。写メール? そんなもの、漫画にさえ登場しなかったんじゃないの? だからねぇ、だから根本的に違うんだよ、僕らの青春時代は。便利になった反面、今の若者たちは電子機器のおかげで不幸になってるような気がするんだ。

ビデオレンタルは7月11日から。DVD 発売は7月25日。興味があったら観てご覧。そして、時間があったら鎌倉を探検してみよう。