天使の牙の感想

ネタバレあり

2003年8月28日

この映画、ちょっと変なんです。ツッコミどころ満載なので、みなさんにも是非見ていただきたい。その上でこの感想を読んで「そーだよね、そーだよ、そーだよ、ソースだよ!」と頷いてもらいたいんだな。だからこの先は、必ず映画を見てから読んでください。

まず、殉職した美人刑事、黒谷友香から悪玉の愛人、佐田真由美に脳が移植されるシーンですが、ここを否定しちゃうと物語が成り立たないので許さざるを得ません。ただし、そのあとの展開からするとミスキャストだと思いました。どうも黒谷友香が美人過ぎて、違いが際立たないのです。

タイプが違うとはいえ、美人から美人に変わってもねー。みなさんもそう思いませんか? 踊る大捜査線に出てくる深津絵里から佐田真由美なら相当ギャップがあってイイと思うけど…

ここがまずダメですよね。佐田真由美はイイけど、黒谷友香を誰か他の女優にするべきでした。せめて髪ぐらいショートカットじゃないと違いが際立ちません。

でも序盤は、なかなか良いシーンもありましたよ。弾丸がスローモーションで頭を貫通するシーンなんか、CGの出来がとても良かった。

『えっ! なんでなんで? 大沢たかおが裏切り者だったの? 誰も信じるなと言っていた本人が裏切り者だったなんて・・・』

このシーンは完全に騙されました。その後、『佐野史朗が裏切り者?』と思わせるシーンもあって、筋書きはなかなかイケてます。

ところが! その後、監督が重大なミスを犯すんですなー。大沢たかおが撃たれて佐田真由美に傷口を縫ってもらうシーンがあったでしょ。そのときのセリフが変なんです。

「タマは抜けている、傷口さえふさげば・・・」

ところが、傷口は腹側だけでシャツの背中に血は付いてませんでした。いったいどこにタマが抜けたのでしょう? これが変だと思わない監督の神経がわかりません。ここでアタシは思いっきりシラケました。(公式ホームページの予告編に大沢たかおが腹部を撃たれるシーンがあります)

だいたい、あんな至近距離から腹部(左脇腹)を撃たれたら、傷口をシロウトが縫ったぐらいで助かるわけがない。シルベスタ・スタローンみたいなマッチョマンなら、『そういうのもアリかな』と思うけど、大沢たかおみたいな優男じゃ確実に出血多量で死にます。せめて撃たれた箇所を大腿部にしておけば良かったのに・・・

それから、昏睡状態から覚めた佐田真由美に黒谷友香の遺体を見せるシーン。あれもおかしい。だって手術から1年も経ってるわけでしょ。普通なら、とうの昔に火葬されてるはずじゃないですか。

仮に黒谷友香の肉体が死んだことを納得させるために遺体が保存されていたとしても、なんで救急救命室みたいな所に寝かされてるの? 冷凍しとかなきゃ腐っちゃうでしょーが! あれは冷凍庫から遺体を取り出すシーンにしなきゃダメです。納得できませんねー。

まだあります。佐田真由美が悪玉のアジトに連れ戻され、ショーケンに「わたしの好きな曲を弾いてくれ」と言われてピアノを弾くシーン。これを「有り得ない!」と言うつもりはありません。そんなこと言うのは野暮だとさえ思います。

だけど、ここは佐田真由美が吹き替えなしでピアノを弾かなきゃダメでしょ。ベラボーに難しい曲じゃなかったからね。不思議なことに体が自然に反応して、知るはずのない曲を弾いてしまう。この難しいシーンをちゃんとした演技で見せてもらいたかった。(吹き替えがダメダメを通り越してる)

まだまだあります。それはラスト。「続編を作りますよ」と言いたげなラストが変! 原作がどうだろうと、あれはおかしい。あの馬みたいに顔の長い嶋田久作が整形手術でショーケンに化けていたなんて許せます? とうてい許せませんよね。嶋田久作以外、あの役をこなせないなら脚本を書きかえなきゃダメです。荒唐無稽すぎて誰でもシラケますよ。ただでさえ荒唐無稽な設定を受け入れて観てるんだから、もうちょっとツッコミどころを埋めてもらわないと…

照明がついてから他のお客さんの様子も窺ってみましたが、ほとんどの人が「納得いかない」という表情でした。「なんか変だよねー」と言ってる女性の声も聞こえてきましたね。まあそれは当然でしょう、だっておかしいんだもん。これで納得しろって方が無理。

エンドロールのあとにワンシーンあるので、そこで納得のいくオチをつけてくれればスカッとしたのになぁ…、原作がイケてるだけに惜しい。あんなオチにするぐらいなら、ラストシーンで佐田真由美が舌を出しちゃった方が良かったかもしれない。「ベロベロバー」って。そしたら絶対笑えたと思う。

さて、最後に評価ですが、一言で表すと「なんじゃこりゃ!」。でも、佐田真由美が魅力的だったので、佐田真由美を見たければ「必見!」。二人以上で見に行くなら「会話がはずむでしょう」。監督の評価は「CG以外は勉強不足」でした。

あっ、まだ見てないのにここまで読んじゃったアナタ、困ったチャンですねー。粗探しをしに行く価値があるので必ず見に行ってください。友達と見に行けば、映画が終わったあと必ず会話がはずむでしょう。この映画はそういう楽しみ方に向いています。

それから、相模湾で船釣りをする方は、見慣れた風景を映画の中で見ることができますから注意して見てください。最後の方に横須賀市のパシフィックホスピタルで撮ったシーンがあります。

天使の牙 B.T.A.【VPBT-11839】

天使の牙 B.T.A.