マッチスティック・メン

日本語って便利すぎる

2003年10月9日

今回は2度目の鑑賞について書くので、まだ読んでない人は【マッチスティック・メン(潔癖性の詐欺師)】を先に読んでください。

気になることがあったので、2回目の鑑賞です。ニコラス・ケイジが劇中で何回か "Pygmy!" と言うのですが、今回は、それがどういう意味かを中心に調べてきました。正確には "Pygmies!" と言ってるみたいでしたけどね、合計4回も言ってました。

字幕の方は「まったくもう」と訳されているんですが、用法はまさに「まったくもう」そのもので、他に適当な訳語が思いつきません。些細なことで忌々しい思いをしたとき、ついつい口をついて出る言葉です。

でも「チェッ!」や「クソッ!」とは、ちょっと違うんです。元々イライラしているとき、些細な失敗や邪魔者を罵る言葉なんですよ。だから「まったくもう!(やんなっちゃう)」が非常に近いと思います。

たとえば急いでいるのに縫い針に糸がなかなか通せないとき「あー忌々しい」なんて言いますよね。そんなときはすかさず "Pygmies!"。また、時間に遅れそうで焦っているとき、何かに躓いたら「なんなのこれー!」なんて思わず言いますよね。そんなときも "Pygmies!"。だから、時と場合によって日本語では様々な言葉になります。

しかし・・・、最近は日本語でも便利すぎる言葉(オールマイティー)が多用されています。その最たるものが「ウザイ」という言葉ですね。「うるさい」「邪魔くさい」「忌々しい」「まったくもう」「頭にくる」「顔も見たくない」「消え失せろ!」・・・それらの気持ちがたったの3文字で表せちゃう。これは便利と言えば便利です。特に外国人にとってはうれしい変化でしょう。覚える言葉が少なくて済みますから。

でもね、語彙(vocabulary)が減ると、文化の衰退に直結すると思うんです。ある事象や気持ちを言葉で言い表すのに、誰が言っても同じになったらつまらないでしょ。だから、なるべく語彙は豊富な方がイーンデス。

日本語には「Yes」と「No」の中間がたくさんある。たとえば、「善処します」という言葉は、「Yes I do」とは訳せないんですね。これをわかりやすく言い直すと「気には留めておきますが、今、実はもっと重要な課題がありまして、この問題は後回しになります。ええ、もちろんやるつもりですよ。でも、チョット待ってくださいね」となり、これをさらに具体的に言うと「今すぐにはできません。いつになるかも、お答えできません」になっちゃうのです。

その他にも日本語の語彙が豊富だという例は色々あります。アタシは学生時代、寿司屋のアルバイトをしていましたが、電話で出前の催促をされたとき、いろんな答え方をしていました。

「今作ってます」「もうすぐできます」「今出ます」「もう出ました」・・・だいたい4種類の答え方があったのですが、ホントはどうだったかというと「これから優先的に作ります」・・・だったんですよ。ホントはね! 答え方の違いは相手の重要度や言葉の調子で決まっていました。

おわかりですか? おわかりですね。今日言いたいことは何かというと・・・、「語彙の豊富さをみんなで努力して保ちましょう」ということです。せっかく世界一難しい言葉を使っているのだから、これからも世界一難しい言葉を駆使して、日本文化の維持に努めましょう。

インターネットが発達してわかったことですが、日本語ってホントに素晴らしいですよ。モニターの文字を読むのって、紙に書かれた文字を読むより数倍疲れるでしょ。ドライアイに苦しんでいる人も多いです。でも、日本語の場合は漢字と仮名が混じっているから読みやすい。英語より目が疲れず、短時間で文章の概要をとらえやすいのです。

こんなに優れた文字文化を持つのは日本人だけですよ。韓国人はハングルを自慢するけれども、ハングルだって所詮は表音文字。速記しやすいというだけで、見た目は美しくないからハングルで掛け軸なんか書いたって芸術になりません。

表音文字と表意文字を適度に混ぜて使ってるのは日本人だけです。しかもカタカナとひらがな、2種類の表音文字を使いこなし、横書きならアルファベットさえ自由に混ぜられる。たとえば、創作四字熟語みたいな遊びもできるし、外来語はカタカナで見分けられるし、普段漢字で書く文字をわざとひらがなで書けば「やわらかなイメージ」を出せる。それから、漢字、カタカナ、ひらがなを駆使した「造語」の面白さも日本特有のものです。

もう、カンペキでしょ! 日本語を使いこなせるだけでアーチストなのです。

でも・・・、日本語のおかげでワケのわからない政治がまかり通るという弊害もあるんですね。民主党がマニフェスト(政権公約)なんて言葉を引っ張り出してきましたが、最近までこんな言葉は存在すらしませんでした。日本は言葉のせいで政治や外交の後進国になっているんです。公約なんて「あってないようなもの」ですよ。

日本語は便利すぎて、どんな解釈もできてしまいますからね。それは憲法第9条を見れば明らかでしょう。

日本国憲法・第9条

  1. 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
  2. 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

ほら、この通り! 憲法さえ、どんな解釈もオッケーなのです。これじゃ、公約なんて無意味に近い。「いつまでに」「どうやって」という説明を省けば政治家は何だって言えます。政権政党がコロコロ変わる時代にならないと、マニフェスト(政権公約)という言葉は無意味なんですね。次回の選挙で民主党はどこまでやれるでしょう? もし民主党がいつまでも政権をとらなければ、マニフェストは死語にならざるを得ません。

二大政党制は、「Yes」か「No」かをハッキリさせるシステムだから、日本語と相反する性格を持つわけですよ。「Yes」と「No」の中間がいっぱいある現在の姿が日本らしい政治だと言えます。でも、それじゃあまりにも社会を変える速度が遅すぎるのです。「変革を求める人は次の選挙で民主党に一票入れるしかない」・・・と言い切っちゃいましょう。

○沢が嫌いとか、□山が嫌いとか、そういう好みは、この際、度外視しなければならんのです。アタシ自身、どうするかまだ決めてませんが、状況の変化に対応するためには、日本文化を変えていくことも必要ってことですね。今は中間のどっちつかずなんていらない!

なんか今日は難しい話になっちゃいましたけど、要するに日本文化の良い面は守ろう。だけど、悪い面は改善していこうというのが結論ですな。1本の映画を観ただけで、こんなにもいろんなことが思い浮かんじゃいました。派手さはないですけどね、【マッチスティック・メン】・・・是非ご覧ください。アタシは色々考えさせてくれる映画に高い点を付けてます。オバカなのも好きだけどね。

ああ、それともうひとつ調べたことがありました。それは映画の中に出てくるアイスクリームのフレーバーです。重要な小道具としてファミリー用のでっかいバケツに入ったアイスクリームが出てくるんですよ。アタシはアイスクリームが大好物なので、1度しか言わないアイスの名前を必死になって記憶しちゃいました!

ニューヨーク・スーパー・ファッジ・チャンク!
ニューヨーク・スーパー・ファッジ・チャンク!
ニューヨーク・スーパー・ファッジ・チャンク!
ニューヨーク・スーパー・ファッジ・チャンク!
ニューヨーク・スーパー・ファッジ・チャンク!

New York Super Fudge Chunk!

レシピはココ。要約すると・・・

ピカンの実(1/4カップ)、ホワイトチョコレート(1/4カップ)、セミスウィート・チョコレート(1/4カップ)、クルミのチップ(1/4カップ)、チョコで包んだアーモンド(1/4カップ)、甘くないチョコレート(4オンス)、ミルク(1カップ)、卵(2個)、砂糖(1カップ)、ホイップクリーム(1カップ)、バニラエッセンス(ティースプーン1杯)、塩少々。

ということで、美味しそうでしょ。アタシは明日、これと似たフレーバーを求めてサーティーワン・アイスクリームに走るのです!

(`⊥´)ゞ

おお、もうひとつ言い忘れたことがあった。「マッチスティック・メン」の意味は「ペテン師」ってことなんだけど、なぜ「マッチ棒男」が「ペテン師」かってことを知る手がかりがここにあります。

http://www.yomiuri.co.jp/wine/shinagaki/20031007si11.htm

これは、Mr.マリックが子供の頃、縁日でオジサンにだまされたのがきっかけでマジシャンを志したって話なんですけどね、 面白いので、これも是非読んでちょうだい!

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