ラストサムライの感想

ミイラ取りがミイラになる

2003年11月23日

先々行上映で【ラストサムライ】を観てきた。スケールがデカイし、俳優陣も魅力的だった。時代考証も時間をかけただけあって、『どう考えても変!』というシーンは見当たらない。でも、イマイチのめり込めなかった。なぜアタシはのめり込めなかったのだろう?

家に帰って冷静に考えてみた。のめり込めなかった原因は、おそらく勝元(渡辺謙)が“何のために”命をかけて戦うのか・・・、その理由がわかりにくかったということだ。祖国のためとか、愛する家族のためなら、誰にでもわかるんだけね。勝元は武士の誇りを捨てきれなくて、武士のままこの世を去ろうとするんだよ。最後のサムライとして。

日本人なら納得できるとしても、果たしてこの説明でアメリカ人に武士道精神が伝わるだろうか? うーん、多分無理だろーなー。トム・クルーズはワケのワカラン立場だし、だいたい日本人以外は明治天皇がどういう存在か知るはずもない。日本人だって明治時代を知っている人はほとんど生きてないもんな。

この映画で日本人が感情移入するとしたら勝元だろう。でも、何のために戦うのか日本人のアタシでさえわかりづらいのだから、到底アメリカ人にはわかるまい。この映画、酷評する人も必ずいるよ。MATRIX REVOLUTIONS と似たカンジで「賛否両論、絶賛ナシ」という反応になるんじゃないかな。特にアメリカでは。

日本の歴史教育って幕末や戦時中のことは詳しく教えないでしょ。だから、知識レベルに相当な個人差があると思うんだ。坂本竜馬を知っている人は大勢いるが、セリフをしゃべる明治天皇なんて【ラストサムライ】で初めて見た。(アタシの場合)

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気付いたこと

ということで、この映画・・・アタシの満足度は B+ ってところだった。俳優は豪華だし、金もかかってるから見て損したという気にはならない。だけど、大満足とは言いづらいんだよなぁ。武士道精神をアメリカ人に説明されるってのも変な話でしょ。まあ日本人の精神が中国人や韓国人と大きく違うってことがアメリカ人に少しでもわかってもらえれば幸いだけどね。映画の中で描かれている「侍」は文句なしにカッコイイ。

最後に、この映画をどういう人にオススメしたいかというと、3時間ばかりヒマをつぶさなければならない人、それからシネマイレージをたくさん稼ぎたい人(154分)。インターネットの掲示板で「あーだ、こーだ」と激論を交わすのを楽しみたい人。あとは、トムが出ている映画なら、とりあえずなんでも観るという人。逆にオススメじゃない人は、中国人、韓国人、イスラム系など、武士道精神を理解できそうもない人達だ。

続き(信忠役をやった小山田シンについて)