2004年1月14日
【ミスティック・リバー】はアカデミー賞の有力候補というフレコミですが、何を評価していいのか迷ってしまう映画でした。俳優の演技や考えさせる内容はいいけれども、万人が感動するような映画じゃありません。児童虐待や銃社会といった社会問題を描こうとした作品なので、気楽に映画を楽しみたい人には不向きです。
じゃあ、泣けるようなシーンがあるかというと・・・、これがまったくないんですよ。それは何故かというと、ケビン・ベーコン、ショーン・ペン、ティム・ロビンスの三人がいずれ劣らぬ名演技を見せるので、誰に感情移入してよいのか、わからなくなってしまうのです。
三人はほとんど登場時間が同じで、主演と助演の区別が明確ではありません。ということは主演男優賞も助演男優賞もこの映画からは出ないんじゃないでしょうか。敢えて監督は三人を対等に扱い、観客が傍観者として映画を観られるように作っているのかもしれません。じゃあ、アカデミー賞作品賞はどうかというと、その可能性も薄いと感じました。【ミスティック・リバー】が受賞するとしたら監督賞なのでは?
それから、気になったことですが、この映画には混乱を招く設定があります。それはショーン・ペンがジミー役で、ケビン・ベーコンがショーン役ということです。アタシはこの配役のおかげで、初っぱなから混乱してしまいました。
何故こういう配役になったかというと・・・それはこういうことです。eiga.com の解説によると、監督のクリント・イーストウッドは、まずショーン・ペンに脚本を送りました。その時点でクリント・イーストウッドはショーン・ペンにショーン役をやってもらいたかったのでしょう。
ところが、ショーン・ペンはジミー役をやりたがった。強いて言えば、ジミー役が一番目立つ役だからです。最初に話をもらった俳優が一番目立つ役をやりたがるのは当然ですよね。さてさて、それがどういう混乱を招くかというと・・・
まず最初のシーンは三人の子供時代から始まります。このときどの子がショーンかわかるようになっているのですが、子役は当然ショーン・ペン本人じゃありません。だから観客はショーン役をショーン・ペンがやると勝手に思いこんでしまいます。(アタシだけかもしれないんですけど・・・)
そして、場面は突如25年後に飛びます。ここでケビン・ベーコンとショーン・ペンの見分けがつかない人は混乱しなくて済むのですが、なまじ知っていると混乱してしまうのです。だからアメリカ人は当然のように混乱したでしょう。この辺は既にアメリカでツッコミを入れられているはずなので、英語が達者な人は調べてみてください。きっと何か書いてあるはずです。
さて、今年最初の映画鑑賞でしたが、アタシの評価は B からのスタートです。【ミスティック・リバー】は、アカデミー賞の審査員を唸らせるかもしれませんが、誰もが感動するような内容じゃありませんでした。悪くはないけど、見る人を選ぶ映画だと思います。アタシみたいなお気楽野郎にはちょっとテーマが重すぎたかな。