釣りは好きだけど

釣り人は嫌いだ

2004年1月23日

僕らはきのう、釣りについて思い思いの昔語りをした。そして、お互いの釣り遍歴に驚き、そして懐かしんだ。もうみんな中年だし、ありとあらゆるルアーフィッシングをやってきた連中だから話の内容がみな面白い。

「僕が湘南シーバスを初めて釣ったのは、釣りをはじめてからちょうど100日目だった。それも、ほとんど毎日ウェーディングしてだよ。あのときは魚が暴れてフックが指にグッサリ刺さっても痛さを感じなかった」

「そう言えば、僕は芦ノ湖で60センチ以上のマスを釣るのに30回ぐらい通ったな。もう、心臓が飛び出るかと思うほど熱くなった」

「今と反対のことをしていた時期もあったね」

「そうそう、アオリイカは夜釣るものだと思いこんでいたな。昼間は車の中で寝ていて、夕方になってから釣りはじめた」

「エギを投げていると、必ず『なにを釣っているんですか?』と訊かれなかった?」

「必ずね!」

最初の一匹を釣るまでの日々や、忘れられない一匹を釣るために費やした金額。それらを比較して驚き、また去っていった釣り人達の顔を思い浮かべた。

「だいぶ減ったよね。釣り人…」

「うん、全体的にね。エギングをやる人が増えたぐらいかな? あとは軒並み減ってるでしょ。しかも、若い人が入ってこないから高齢化するばかりだ」

インターネットがなかった頃。アタシたちは常に自分で情報を収集し、プロショップに集まっては、その情報を交換して育ってきた。だからアタシはインターネットで情報を与え続ければ、必ず自分も報われる日が来ると信じていたんだよ。

ところが、実情はそんなに甘くなかった。釣り人の中には、他ではちょっとお目にかかれない究極のエゴイストや、ひがみ根性丸出しのバカが多いことを知るハメになったのである。いや、そんなに多くはないが、そういう人間が100人力で目立ちはじめたのかもしれない。

「俺、釣りは好きだけど、釣り人は嫌いだ」

このセリフ、誰が言い出したか忘れたが、なにしろ名言だと思う。自分以外、ロクな人間がいないところが釣り界の特徴なのだ。おそらく、いつの世になっても。だから、自分が嫌われることを恐れていては何もできないのかもしれない。そんな釣り界では。