ニューオーリンズ・トライアル
陪審員制度がわかる映画
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2004年2月4日
レイトショーで【ニューオーリンズ・トライアル】(原題:RUNAWAY JURY)を観てきた。JURY(ジューリー)とは陪審員のことで、トライアルは裁判のことだ。じゃあ、RUNAWAY
JURY って、いったいどういう意味なんだろう? 直訳すると「逃亡した陪審員」になるけど・・・
それでは、この映画の面白いところを紹介しよう。
- アメリカの陪審員制度について知識を深められる。日本人にもちゃんとわかる構成が素晴らしい。しかも、説明っぽくて興醒めするようなシーンがまったくないのだ。これは陪審員制度について何も知らない人ほど興味津々の内容だろう。この映画はアメリカ以外の映画ファンを十分意識して作り込まれている。
- ジーン・ハックマンとダスティン・ホフマンの二人が助演にまわる豪華キャスト。
- 主役のジョン・キューザックもかなり人気のある二枚目俳優で、去年の10月に公開された【アイデンティティー】でも主役だった。(アイデンティティーはかなり面白かったので、アタシの
評価は B+ だった)
- 最後まで謎の陪審員(ジョン・キューザック)の正体はわからず、判決もどちらに転ぶかわからない。全体の構成やテンポが良いので最後までワクワクする。
ということで、この映画はかなり面白かった。日本でも「裁判員制度」導入が議論されているので、この映画は観て損のない映画と言えるだろう。アタシは今までまったく「裁判員制度」に興味を持っていなかったが、この映画を観たせいで興味が湧いてきた。
じゃあ、この映画に描かれてた陪審員制度について、まずは見たままを報告しよう。アメリカでは州によって法律が違うので、これはルイジアナ州の場合である。
- 陪審員は無作為に抽出された候補者の中から選ばれる。映画では40人ぐらいの候補者が裁判所に呼ばれていた。(これは義務だから正当な理由がないと拒否できない)
- 陪審員の候補者に選ばれると、まず自宅に召喚状が届く。誰に召喚状が届いたかは、この映画の場合バレバレである。(これは映画だからか?)
- 候補者は裁判所に出頭し、まず原告側、被告側から出された質問に答えなければならない。
- 原告側、被告側、双方に拒否権が認められていて、どちらかに拒否された候補者は選ばれない。つまり、双方から『コイツは説得できそうだ』と思われた人だけが陪審員に選ばれるのである。(予め答えが決まっていそうな人は選ばれない)
- 候補者を拒否するかどうかを判断するのは双方の弁護士だが、この映画の場合、その他に陪審コンサルタントが双方に付いていて、候補者を採用するか否かを弁護士に指示していた。(ジーン・ハックマンは被告側の陪審コンサルタント役)
- 陪審コンサルタントは、陪審員候補者の家庭環境や履歴を調べたり、候補者の態度を見て味方になるかどうかを直感的に判断する職業らしい。(この映画の見どころはここだ!)
- 陪審員は最終的に12名選ばれるが、12名の他に補欠として予め3名を選んでおく。そして、欠員が出た場合は、補欠が傍聴席から陪審員席に移る。
- 有罪、無罪を決めるときは9人以上の陪審員がどちらか一方の意見になるまで協議される。(この人数は州によって違うらしい)
- 陪審員の日当は16ドル。(まったく魅力のない金額)
- その他、陪審員には裁判の途中で食事が与えられる。映画の中では「あまり高いものはダメよ!」と食事について注文をつけられるシーンがあった。
- 陪審員の中から、ひとりが議長に選ばれて、陪審員室で協議を進める。(意見が真っ二つに別れてはダメなのだ)
- マスコミが注目する裁判の場合、陪審員は隔離されて自宅に帰れないこともある。(この映画の場合は隔離されてモーテルのようなところに缶詰めにされた)
- 陪審員は有罪か無罪かを判断するだけで、量刑について口を出す権利があるかどうかは、この映画を観ただけではわからなかった。
映画を見終わってから知ったこと
- 陪審員の日当は州によって違い、2ドル〜20ドルらしい。(アタシだったらやりたくねー)
- 陪審員、陪審員候補者には交通費や駐車場代も支給される。(当然だね。でも、日本の場合はこれが大きな負担になるかもしれない)
- アメリカの場合、裁判の結審後なら陪審員に守秘義務はない。(たとえ守秘義務があったとしても、人の口には戸が立てられないから無駄だと思う。「絶対内緒だけど」と言いながらベラベラしゃべるヤツがいるでしょ)
- Anyone can start a rumor, but none can stop one. =「人の口には戸が立てられぬ」
- アメリカの場合、一審の無罪判決に対する検察官の上訴は禁止されている。(裁判のスピード決着には効果がありそうだが、有罪の場合はどうなのかな?)
- 理由があって陪審員になれない場合は召集用紙の裏にその旨を書いて送り返すことになっている。だから、「アタシはそば打ち職人で、アタシがいないと店が営業できない」という理由なら通るかもしれない。(日本で裁判員制度が導入された場合だよ)
- 陪審制度を利用するかどうかは、当事者(原告、被告)の権利である。
- 被告人がその権利を放棄しない限り、陪審裁判(jury trial)が開かれる。被告人がその権利を放棄すると、日本と同じ職業裁判官による裁判(bench
trial)を受けることになる。
- アメリカにはこんな格言がある。「無罪なら職業裁判官の方がいい。有罪なら、陪審裁判の方がよい」
この話、ちょっと長いな。日本が導入するかもしれない「裁判員制度」については次ページで書くことにしよう。
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