2004年7月30日
今日は宇宙人に会ったときの話をしよう。あれはたしか高校2年生の夏休みだった。皆さんは五色沼って知ってるかな? 磐梯山の麓にある沼地なんだけどね。ココの沼は光の加減によって赤やコバルトブルーに変化するんだ。
でだな・・・その五色沼へ行ったときのこと、アタシはオレンジ色の物体が沼地へ下りていくのを見た。早い話、それはUFOだったんだけどね。好奇心旺盛なアタシは、ひとりでUFOが下りたあたりに行ってみた。すると、沼の色がオレンジ色になっていて、そこに金髪の子供がたたずんでいた。
「キミは誰だ?」
「バンダーサードだ」
(`⊥´)/
「なんだそれは? サンダーバードじゃないのか?」
「サンダーバードは“国際救助隊”、バンダーサードは“宇宙PKO”だ」
「PKOってなに?」
「知らないのか? Peace Keeping Object の略だ。つまり、宇宙の平和維持のためにボランティア活動をしているのだ」
「なぜこんな平和なところへきた?」
「ちょっとワケアリなのだ」
「地球がアブナイのか?」
「今すぐってワケじゃないが、将来はアブナイ」
「で・・・なにしにきた?」
「頼みがあるのだ。われわれは地球環境の問題で長くはココに滞在できない。だから代わりにやってもらいたいことがある」
「ボクでいいのか?」
「実はキミでないとできないのだ。いろいろ分析した結果、日本人の中からは、たったひとりキミが選ばれた」
「そうだろう、そうだろう。つまり、優秀な人間ということだな」
「ある意味・・・」
「なにかボクに超能力でもあるのか?」
「その通り! まずテレパシーの受信能力がズバ抜けてる。地球レベルで見てもキミはナンバー3だ」
「ホゥー、それって受験に役立つ? 頼むから大学受験のときに答えを教えてよ」
「申し訳ないが、遠い星からそこまで面倒見きれない。コチラからの一方的な連絡に使わせてもらう」
「チッ! 受験には役立たないのか・・・」
「その代わりキミは HERO になれる。キミのおかげで多くの人命が救われるのだ」
そう言うと金髪の子供はアタシに光線銃を手渡した。
「なにこれ?」
「バンダーサード光線銃だ。使い方はテレパシーで指示する。キミはこれを持っているだけでいい」

バンダーサード光線銃
「この計算機みたいなボタンはなに?」
「そのボタンでコチラが指示した数字を打ち込むと撃てるようになる。メチャクチャな数字を入れても決して撃てないから普段は何の役にも立たない」
「悪いヤツを暗殺するのか?」
「そういう使い方はしない。地球の危機を救うときに使う」
「たとえばどんなとき?」
「それは、そのときになってみないとわからない。多くの犠牲者が出そうなときだけ使い方を指示する」
「HERO になれるんだね!」
「もちろん!」
そう言うと金髪の子供は沼に飛び込み、オレンジ色のUFOに乗って磐梯山の向こうに消えていった。
かなり時が流れた。
1998年9月5日、アタシはいつも光線銃を持っているが、この日まで金髪の子供からは何の連絡もなく、バンダーサード光線銃も宝の持ち腐れだった。ところが・・・この日の朝、突然耳鳴りのような音が聞こえてきたのだ。
ふぁーいぶ・・・ふぉー・・・すりー・・・とぅー・・・わん・・・ぜろ
バンダーサーズ アー ゴー!
(`ё´)
「久しぶりだね、バンダーサード3号。覚えているかい? 五色沼で会ったよね」
「おお、あのときの・・・」
「いよいよバンダーサード光線銃を使うときがキタ。急いで3419696と入力して光線銃を空に向けろ!」
「わかった、3419696だな」
アタシは3419696と入力してバンダーサード光線銃を空に向けた。
「ヨシ、撃てっ!」
「・・・」
なにも起こらなかった。見た目にはなにも
「これでキミは HERO だ。およそ35万人の命を救ったんだよ」
「なにも起こったようには見えないけど・・・」
「実は今、北朝鮮から長距離ミサイルが発射されたんだ。ミサイルの着弾地点は東京のど真ん中のはずだった。でも、今キミが光線銃でミサイルのプログラムを修正したおかげでミサイルは金華山沖に方向を変えた」
「ホントに?」
「本当だ。キミは素晴らしいことをしたんだ」
「でも、誰もボクが HERO だって気付かないじゃない!」
「贅沢言っちゃイカン。キミは誰が何と言おうと HERO だ。それは私が認める」
「だけど、地球の人達はボクが HERO だなんて思わないよ」
「だから五色沼で会ったときに言ったじゃないか。キミはある意味優秀だって・・・」
「いったいどういうこと?」
「キミは人並み外れたテレパシーの受信能力を持っているだけじゃなく、人並み外れた自己満足型人間でもあるんだ。だからキミを選んだのさ」