LOVERS の感想

リアリティーなんてクソ食らえ!

2004年9月1日

この映画は見る人によって A の「かなり気に入った」から、D の「なんじゃこりゃ?」まで、幅広い評価を得るだろう。「泣ける」とか「ストーリーにグイグイ引きこまれる」ことを期待すると裏切られるが、「美しさ」や「意外性」、「非現実的なもの」を映画に期待する人が見れば良い評価を得られると思う。

去年の夏、【HERO/英雄】という映画を観た人なら、チャン・イーモウ監督の作風を理解しているはずだ。この人は MATRIX のアクションを担当しているので、ワイヤーアクションやスローモーション、棒術、弓矢などがお得意。

今作では棒術、弓矢の他に FLYING DAGGER(飛刀)と新体操風の華麗な舞いを見せてくれるよ。映画がはじまると見せ場はすぐにやってくる。盲目の踊り子を演じるチャン・ツィイーの舞いで、みなさんはアッという間に夢心地になれるだろう。金城武とアンディ・ラウも存在感があって大変よろしい。

特に印象的だったのはリスが出てくるシーンかな。この「技?」は多分一生忘れない。と言っても、この「技?」を使えるシチュエーションなんて、この先巡ってきそうにないけど・・・

この辺までは文句のつけようがない完璧な出来だ。しかし・・・そのあと物語はトンデモナイ方向へ進みはじめる。前半はストーリーに引きこまれてもイイのだが、後半は見方をガラッと変えなきゃイケナイ。是非、竹林のシーンあたりからは「絵さえ面白ければナンデモOK」という見方にシフトチェンジしてほしい。そうするとこの映画を100%楽しめるだろう。

後半ではリアリティーや細かい心理描写なんか期待しちゃダメだ。素直に目に飛び込んでくるアクションと情景を楽しもう。そして、最後の方でチャン・ツィイーの胸から血がドバッと噴き出すシーンで大笑いしてほしい。「なんじゃこりゃー!」と言いながらね。

そういう見方ができる人ならカンペキだ。是非オススメしたい。だけど、「リアリティーなんてクソ食らえ!」という方針なので、そこんとこヨロシク。かなり平均的な日本人の感覚からはズレてる。きっと中国人はこういうのが大好きなんだろう。

現実から逃避したい人、見てらっしゃい。アタシの評価は B+ だ。

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