アラモの感想

デイビー・クロケットの歌

2004年10月3日

この映画、評判が芳しくないので見る予定じゃなかったんです。でも、上映時間の関係で「どうしてもこの映画を見なければならない理由」ができてしまいました。それはどういう理由かというと・・・

アタシが通っている TOHO CINEMAS にはシネマイレージというサービスがあります。上映時間1分を1マイルと換算して、合計6,000マイル貯まると「1ヶ月間無料パス」がもらえるんですよ。

シネマイレージの詳しい説明(TOHO CINEMAS)

去年の11月から【アラモ】を観るまでに5,685マイル貯まっていました。ということは、残りあと315マイル。『あと3本観れば1ヶ月間無料』という状況だったのです。ところが、ここでとんでもなく長い映画が上映されることになったんですね。

感染/予言】(J-HORROR THEATER)

これは東宝が作ったホラー映画ですが、2本同時上映なので193分もあります。ということは、122分以上の映画と【感染/予言】を観れば、2本で6,000マイル達成でしょ。だから【アラモ】を観る必要があったんです。【アラモ】は137分で、まだ観ていない映画の中で唯一、122分超えの作品でした。

さて、前置きが長くなりましたが、まずは「アラモ」と「デイビー・クロケット」に関するアタシの予備知識をお話ししなければなりません。アタシはデイビー・クロケットが主人公だと思い込んでいたのです。(この映画の主人公はデニス・クエイドが演じたサム・ヒューストン)

アタシが知っていたデイビー・クロケットの歌

戦い恐れぬインディアン

大酋長との一騎打ち

たった三つでクマ退治

アラモの砦に駆けつける

デイビー デイービ・クロケット

その名は永久(とわ)に

アラモの地図とデイビー・クロケットの歌(FLASH)
耳が腐るとイケナイので無闇にボタンを押してはいけません!

どうしてこんな歌を覚えているのか自分でもわかりません。子供の頃の記憶だと思いますが、番組の名前は完全に忘れてしまいました。まだテレビが白黒だった頃は、西部劇をしょっちゅうやってたんです。【ララミー牧場】とか【ローハイド】とかね。だから、こんな歌を知っているのでしょう。

地図には San Antonio と Houston の位置を描き込んでおきましたが、これは何故かというと・・・NBA(NATIONAL BASKETBALL ASSOCIATION)に San Antonio Spurs というチームがありまして、そのスパーズが使用しているアリーナが ALAMO DOME だからです。アラモの砦は現在の San Antonio にあったのでしょう。それからヒューストンという地名は、この映画の主人公、サム・ヒューストン(テキサスの独立に貢献した人物)にちなんで名付けられたのだと思います。

『きっとアラモの砦にたてこもった開拓者がインディアンに包囲されるんだ。そこへデイビー・クロケットが助けに来て、インディアンを蹴散らすに違いない』

アタシはそんな想像をしていたのですが、これがまったく違うんですよ。その昔、テキサスはメキシコ領だったのです。つまり、西部開拓者(アメリカ人)の方が侵略者で、メキシコ領のテキサスを事実上占拠していたわけ。だからアラモの砦に立てこもった義勇軍が戦う相手はメキシコ軍なのです。詳しいことはココを読んで↓

アラモ砦とデイビークロケット

読んだかな? ここを読まないと先に進まないんだけど、読んだ人はいかにこの物語が日本人の生活に無関係かってことがわかるでしょう。登場人物の名前をひとりも知らなくたって、それは当然なのです。デイビー・クロケット以外はね。サム・ヒューストンも、メキシコの独裁者サンタ・アナも、義勇軍の隊長トラビス大佐も、ジム・ボウイも知らなくて当然なの。知ってるのはジョン・ウェイン主演の【アラモ】を観た人ぐらい。

アラモ(ジョン・ウェイン)

THE ALAMO(ジョン・ウェイン)

でもまあ、アメリカ人ならジョン・ウェイン主演の【アラモ】を観ているから、あらすじぐらい知っているでしょう。アタシャ観てないけど、これは西部劇の名作らしいですよ。かなり登場人物が美化されていると思いますけどね。

ところが今回観た【アラモ】は、面白さより史実を重んじてるわけです。トラビス大佐はどうしようもない女ったらしで、借金を返すために仕方なくアラモに来たんですね。それから、ジム・ボウイなんてもっと悲惨。自慢のナイフを振りかざして格好良く戦うのかと思ったら、いざというときに結核で血を吐いて寝たきりになっちゃいます。

だからジョン・ウェインの【アラモ】を懐かしんで観に来た人は本当のことを知ってガックリでしょう。デイビー・クロケットも伝説の勇者・・・ではあるけれども、年を取りすぎてました。まあ、将来ある若者だったら砦に残らず、夜中にコッソリ逃げちゃったでしょうけど・・・

だってね、オスギ調で言うと「アラモー、やっだー、多勢に無勢もいいとこじゃないっ!」という状況なのです。アラモの砦は高台にあるわけでもなく、単に塀で囲まれているだけ。広さは3エーカーというから、サッカー場3面分ぐらいかな? しかも、砦を守る義勇軍は200人足らずなのに対してメキシコ軍は数千人ですからねー。これはもう、最初から戦う意味がないと言ってもイイぐらいなのです。メキシコ軍はアラモの砦を無視して先に進むこともできたでしょう。

ということは、何かしら砦を守っている人数を多く見せかけたり、砦の地理的な重要性を見せる工夫があって然るべきなんですが・・・その辺はまったく描かれていませんでした。つまり戦略ゼロで相手が総攻撃を仕掛けてくるのを待ってるだけなんです。最初は援軍をあてにしていたようですが、それも途中で来ないのがわかっちゃうし・・・

これじゃーいくらなんでもエンターテイメントになりません。史実を重んじるのも大概にしないと映画がコケるという「悪い見本」を作るつもりだったのかな? 戦い方も実にノンビリしてるんですよ。眠くなっちゃうぐらいね。(170年も前の話だから実際そうだったらしい)

それでもメキシコ軍の総攻撃シーンではさすがに盛り上がるだろうとアタシは期待してました。でも、主人公のサム・ヒューストン(デニス・クエイド)は志願兵が集まらなくて援軍を出せないのです。これでは義勇軍に感情移入できません。敵が四方八方から迫ってくるのに、観客には緊張感がまったくナッシング! だって100%全滅間違いナシの状況ですからね。時間の問題で救いようがありません。ウルトラマンでも出さない限りは。

『オイオイ、この映画を撮った監督、次の仕事あるのかよ?』

そんなことを心配しちゃうぐらいつまらなかったです。唯一良かったのはデイビー・クロケットがヴァイオリンを弾くシーンだけ。ホントにそれだけですね。まあ、不快感はないので「金返せ!」というレベルでもないけど、E 評価の「時間の無駄」が当てはまります。エンターテイメントとしてはダメダメ。これでは特に知る必要のないアメリカ史のお勉強ですよ。アタシの場合、その長くて一見無駄な時間に特別な意味があったわけだけど・・・

追伸

この映画を作ったジョン・リー・ハンコック監督の作品は去年も観ました。題名は【オールド・ルーキー】で、主演は今回と同じデニス・クエイド(今年の6月に公開されたデイ・アフター・トゥモローにも父ちゃん役で出演)。

で、【オールド・ルーキーの感想】を読み返してみたら、これまた E 評価なんですよね。だから、よっぽどこの監督とアタシは相性が悪いのでしょう。『前置きダラダラでクソ長い!』と感じてしまうのです。

デイ・アフター・トゥモロー

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