ニュースの天才

ジャーナリストの苦悩とは?

2004年12月7日

この映画、トム・クルーズが製作総指揮にあたったというので見に行きました。主演は【スターウォーズ】で若き日のアナキン・スカイウォーカーを演じたヘイデン・クリステンセン。助演はハリソン・フォード主演の潜水艦映画・【K-19】で原子力技師を演じたピーター・サースガード。さて、どんな映画だったのか?

これはハッキリ言って2時間ドラマ級です。時間は正味91分ということで、テレビの2時間枠にCMをタップリ挿入しても収まる長さに仕上がってるんですね。(かなりあざとい!)

ということは・・・映画館で見る価値はあまりない。そう言いきってもいいんじゃないかな? なにしろインパクトがないんですよ。それほど遠くない将来、嫌でもテレビで見られるでしょう。

アタシでも知っている俳優が2人出演していましたが、2人の演技以外、他に見るべき所がないのです。アクションもなければ、笑える要素もない。別に暗い題材ではないけれども、心にしみるような感動もありません。いったい何を評価すればいいんだろう?

唯一アタシの心をとらえたのは、この映画がジャーナリズムを題材にしていることでした。アタシは現在、ブログでジャーナリズムを疑似体験していますが、実は大学時代、出版社で働きたいと思ったほど「書くこと」が性に合っているんです。だから今、ブログを書くのが楽しくて仕方ないんですよ。上手い下手は別にして。

話は20年ほど前にさかのぼります。

アタシがちょうど大学を卒業する頃・・・今ほどではありませんが、軽い就職難の時代でした。だから、ついつい親のコネに頼ってしまったんですね。その結果、大学で勉強した専門知識がまったく役立たない畑違いの業界に入ってしまいました。

文学部出身なのに製薬メーカーの営業ですよ。役に立ったのは「話題を絶やさないための広くて浅い知識」・・・たったそれだけ。まあ、製薬メーカーの営業にとっては、そういった雑学の方が化学や薬学の知識より、売り上げのために役立つスキルかもしれません。でも、好きなことを仕事に生かせないのは、やっぱりツライものです。どう頑張ったって超一流にはなれないですからね。

しかし、自分が好きなことを商売にしている人にも、それなりの苦悩があるんです。『次回作を期待しているファンをガッカリさせたくない』という気持ちが強くなりすぎると、自殺に追い込まれることもある。たとえばノーベル文学賞を受賞した川端康成さんとか、人気脚本家の野沢尚(ひさし)さんとか・・・他にも何人か思い浮かぶでしょ。

『地位も名声もあるのになんで?』と思う人は気楽でいいですよ。きっと川端さんや野沢さんは『期待してくれるファンのためになんとかしなければ!』という気持ちが強すぎたんだと思います。

アタシみたいな無責任男はそこまで追い込まれませんが、それでも読者を楽しませるために苦しむことがたまにあります。人を楽しませるって本当に難しいことですからね。苦しんで苦しみ抜いて、やっとできることなんです。だから、特に地位や名声を獲得したあとは、「書く喜び」が「生みの苦しみ」に変わってしまうのでしょう。アマチュアのうちは楽しんでできることが、プロ中のプロになると苦しみに変わるのです。

アタシは【ニュースの天才】を観て、そんなことを感じましたね。映画の評価は C の「おヒマなら」でもいいと思いますが、題材に興味があったので C+ にしておきます。さーて、今日はちょっと外したので、次は気楽に【Mr.インクレディブル】【ゴジラ・ファイナルウォーズ】でも観てこようかな?