戦国自衛隊の感想

過去で死ぬとどうなるか

2005年6月16日

ある映画サイトで【戦国自衛隊1549】をクソミソにけなしている人がいた。だからアタシはオバカ映画を観るつもりで覚悟して行ったのだが・・・

なかなかどーして面白いじゃないの。どこがそんなに気に障ったのだろう? タイムトラベル物としては大きな破綻もなく、ちゃんと最後につじつまが合っているような気がした。これは優れたシナリオだと思うな。伏線の張り方も意外性があってよろしい。

まず、タイムトラベル物を観るときは歴史教科書なんか忘れよう。たとえば韓国では「独島は我が領土」という固定観念を幼い頃から植え付けられる。だが、それは韓国の歴史に過ぎない。日本は、その根拠を否定する証拠を出せる。だから歴史教科書に書いてあることが事実とは限らないのだ。

大昔の文献は時の幕府によって都合良く書き換えられているかもしれない。また、歴史上の数字が幾分大袈裟に書いてあっても何ら不思議ではない。だから SF を観るときは頭を柔らかくして、『もしこれがホントなら面白い』ぐらいの気持ちが必要だろう。

頭ガチガチの人は、はなから SF に向いてないのだ。そういう人は素直にリアルな映画を観ればよろしい。肩肘張って『矛盾点を見つけてやる』なんて思いながら見ても、素直に楽しんだ人にはかなわない。

さて、この映画の感想だが、まずとても気に入ったシーンがある。それは序盤の方だ。公式ホームページのキャストを見ると北村一輝(飯沼七兵衛)という時代劇専門の役者が出てくるのだが・・・この人はホントに侍っぽい。トレンディードラマなんか似合わないだろう。それぐらい侍がお似合いの役者だ。

でだな、七兵衛の最初のセリフが最高なんだよ。「お主・・・」というセリフなんだけど、このシーンは秀逸。素晴らしい! 思わず吹き出しちゃう。

( ´艸`)プッ

北村一輝は上戸彩主演の【あずみ】にも出ていた。だから、アタシは北村一輝が登場した時点で何が起こっているかを悟ることができたんだ。『あっ、なーるほど』って。この反応は【あずみ】を観てない人だとワンテンポ遅れるだろう。

宅間伸(蜂須賀小六)が登場するくだりも面白い。これは後半だが、思わずニコッとしてしまった。それから伊武雅刀の斎藤道三も生き生きとした演技でとても楽しい。

あれっ、なんか主役級が話に出てこないね。問題があるとすればココかな? 主役級より脇役の好演が目立った。特に鈴木京香の心情がよくわからない。主演女優は鈴木京香じゃなくても良かったような気がする。たとえば青木さやかなら、自衛官っぽくて良かったかも。大まじめよりコミカルにした方がさらに楽しかっただろう。

それから、映画が終わった直後はスッキリだったのだが、あとでよくよく考えてみると難しい問題が残った。それは「過去の世界で死ぬとどうなるか」ってことだ。戦国時代に送り込まれた自衛官のうち、何人かは現代に戻ってくる。だが、戦死する者も何人かいた。戻ってきた者は、戦国時代に死んだ仲間を記憶に留めているだろうか? いや、戻ってきた現代に存在しない人間を覚えているはずがない。

もしかすると生存者が戻った現代は、最初に旅立った現代のパラレルワールドかも・・・だとすると、戻ってきた隊員は戦国時代に行った目的すら思い出せないことになる。参ったなー、こんなことを考えはじめたら眠れなくなったぞ。だいたい、あの Zippo は450年の時を経て、どうやったら自分の手に戻るのよ? まったく不思議なシーンを挿入してくれたもんだ。ツッコミどころがガキにもわかるのは頂けない。『よく考えると変』ぐらいが面白いのに・・・

まあ、兎にも角にもアタシがこの映画を気に入ったことは間違いない。多少気になることがあっても、映画館を出た途端に内容をすべて忘れるよりはマシだ。久々に邦画を面白いと思ったので、評価は B+ の「オススメ」にしよう。少なくとも映画が終わるまではタイムトラベルの破綻に気付かなかったから。