クレーム対策

相模湾のメジ・カツオ釣り

2005年11月12日

仕事で庄治郎丸(釣船)のページを作っているのだが、今週から戻りのメジ・カツオ釣りがはじまった。そこで、クレーム対策として「テクニック」のページにこんなことを書いた。

メジ・カツオ船の常識

船長が「何やってんだ!!」等の罵声を発しても気にしないでください。毎年「客を叱るとは何事だ!!」と、掲示板に怒りをぶちまける方が、たいていひとりはおられますが、メジ・カツオ釣りだけは戦争なのです。高名なドクターだろうが、大会社の社長だろうが、普段は「先生」と呼ばれている経営コンサルタントだろうが、メジ・カツオ船に乗ったら関係ありません。モタモタして他の釣り人に迷惑をかけると、容赦なく罵声が飛んできますので覚悟してください。本当に1秒を争う釣りなので、丁寧語を使っているヒマはありません。決して悪気はないのです。お客さんに少しでもたくさん釣ってもらえるよう、1秒を争っているので、どうしても荒っぽい言葉づかいになります。海の男の本能がむき出しになりますので、どうか口が悪いのはご勘弁を。多分、皇太子でも「オマエ、アホか!」ぐらい言われると思います。


メジ・カツオ船に乗ったことがある方なら、どういうことかわかるよね。毎年必ず1件はクレームが掲示板に書き込まれるので先手を打ったのだ。親にも叱られたことがない人って、実際にいるんだよねぇ。そういう人は免疫ができてないから「客を叱るとは何事だ!」などと言って、カンカンになって怒る。だけど、掲示板を見た人の99%は笑ってるんだよ。

『世間知らずのオボッチャマ君が! オメーみたいなヤツはメジ・カツオ船に乗るなっちゅーの!』とか・・・

『何が経営コンサルタントだよ。そこらの会社と海の男を一緒にすんな!』とか・・・

掲示板を見て思ってるわけ。だから、本人は船宿をこらしめるつもりで書いたのだろうが、実際は自分の無知をさらして、「笑い者」もしくは「鼻つまみ」扱い。しかも、それに一人だけ気付いていない“裸の王様状態”になっていたんだな。

2年ほど前、経営コンサルタントと称するお客さんが、掲示板にありったけの怒りをぶちまけていったので、庄治郎丸の常連さんは記憶していると思う。「この業界を再生させるのは簡単だ」とか、いろいろ書いていたよねぇー。

余計なお世話だっちゅーの! だから、最後にトドメを刺してみた。

*多分、皇太子でも「オマエ、アホか!」ぐらい言われると思います。

これはジョークじゃないよ。ほんとに皇太子が乗ったとしよう。そして、船長の目の前でモタモタして魚をバラしたとする。

「皇太子さま、残念でしたねー。今度は頑張りましょう」

↑ んなこと絶対言いっこない!

実際はこれ ↓

「なにモタモタやってんだ! アホか!」(ここで事の重大さに気付いて)

「皇太子さんが釣った魚だぞ。命懸けでタモ入れせんか!」(と、誤魔化す)

お刺身しか見たことがない人は知らないと思うが、メジ・カツオ釣りってのはホントにそういう世界なんだ。海上はまるで戦場。美味しいお刺身は修羅場をくぐってくるんだよ。お父ちゃんが船長に怒鳴られつつ、必死で釣ってくるお魚。だから大事に食べてね。

最近は大間のマグロ釣りがテレビで紹介されているので、みなさんわかったような気になっているだろう。だが、漁師の世界はもっと荒っぽくて、「ぶっころすぞ!」みたいな罵声が無線で飛び交っていることもある。特に大物のクロマグロを誰かのせいで取り逃がせば、「アホか!」じゃ済まされないんだな。ウン百万円の損害だから。

確かに庄治郎丸の船頭もガラが悪いよ。だが、借金返済のためにマグロ漁船に無理矢理乗せられている気分になる釣り船だってあるんだぜ。「なにやってんだ!」はまだイイ方。「なことやったって釣れねーおー!」とか、「とっととイワシを撒くだよ。オメーだよ。オメー!」とか、スゴイことを言われた経験があるからね。どこの船とは言わないけどさ。

経営コンサルタントだって、自分の思い通りに動かないクライアントには腹が立つだろう。それと同じことが逆の立場で起こってるのに、普段叱られたことがないから逆上しちゃうんだな。「天は人の上に人を作らず」って言うだろ。たとえ皇太子でも、たまには「なにモタモタやってんだ! アホか!」ぐらい言われた方がいいんだ。人に叱られた経験のない人が、尊敬に値する人間になれるはずはない。