暑中お見舞い申し上げます

都会にいないセミ

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さてさて、今度は都会にあまりいないセミの話です。と言ってもみんなが知っているヒグラシの話ですがね。ヒグラシは日の出前と日没前後に鳴くので渓流釣りが好きな人にとっては珍しくありません。秋田あたりで渓流釣りをしていると、夕方にヒグラシの大合唱を耳にすることがよくあります。

物凄い数のヒグラシが一斉に鳴くのですが、ヒグラシの鳴き声は涼し気で気分がいいものです。蚊取り線香、浴衣、うちわ、花火、すいか、イブニングライズなど・・・次々に夏の情景が浮かんでくる夏の音色ですよ。

ところで、セミはなぜ合唱するのでしょうか? これはちょっと不思議なので調べてみました。セミの鳴き声は単なるラブコールかと思っていたのですが、違う意味があるようです。ハルゼミ、ヒメハルゼミ、ヒグラシはよく合唱するセミとして知られていますが、これは鳥などの捕食者に対してセミの位置を混乱させる効果があるのかもしれない。

そう言えば、ヒグラシは一斉に鳴くので発見しにくいですね。暗い所で鳴くということもありますけど。その他にも合唱には『セミ同士の間隔を適度に保つ効果があるのではないか』という説がありました。要するにセミの鳴き声は「前に習え!」とか「両手間隔に開け!」みたいな意味があるってことででしょう。どれがホントかわかりませんけどね。

ヒメハルゼミの名前が出たところでついでに書いておきますが、ヒメハルゼミは天然記念物なので捕ってはいけません。関東では伊豆などにいるようですが、非常に狭い範囲にしか生息しないそうです。例えば、ある神社の境内のみ、というように生息範囲がかなり限定されているのです。

日光中禅寺湖では湖に落ちたハルゼミがブラウントラウトのエジキになるのが有名ですが、ハルゼミとヒメハルゼミでは、いる場所がまったく別ですからね。日光でヒメハルゼミを探しても見つからないはずです。ヒメハルゼミは本来南方系のセミなので寒い所にはいません。北限は新潟らしいのですが、栃木や群馬にはなぜかいないそうです。

それか、クマゼミの話もちょっとだけしておきます。関東には滅多にいないセミですが、西日本では割とポピュラーなセミですよ。このクマゼミの鳴き声についてはいろいろな“聞きなし”があるのですが、一般的には“シャアシャアシャア…”とか“ワシワシワシ…”と表現されます。聞いたことありますか? 大きいセミなので音量はかなりデカイです。

でも、このセミは早起きしないと見つけにくいでしょう。ほとんど午前中しか鳴かないのです。朝は6時ごろ鳴きはじめますが、11時頃にはピタリと鳴き止んでしまうんですって。だから捕まえるなら午前中ですよ。