不思議なランキング

小倉トースト

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1999年7月29日

次に、その他の品目についても考えてみる。統計資料には数十項目のランキングが記載されているが、名古屋市は15位から30位の中段にランクされる品目がとても多かった。日本列島の真ん中に位置するから、食品の偏りが少ないのだ。

特に目を引いたのは豚肉、牛肉、鶏肉の購入量。名古屋市の場合、3種類がそれぞれ全国平均値に近い数値である。ということは、名古屋人は平均的な日本人ということが言えるだろう。決して変わり者なんかじゃない。

親戚や隣近所とのつながりを重んじ、何事も中庸を尊ぶのが名古屋人。これも古い伝統を今に残しているに過ぎない。そして、近所づきあいの場としては、昔から喫茶店を利用しているのだ。老若男女を問わず町の喫茶店には誰もが足を運び、噂話に花を咲かせるのである。

が、名古屋人は特にコーヒー好きというわけではない。その証拠に家庭で購入するコーヒー・ココアの金額は全国30位と下から数えたほうが早いのだ。おそらくコーヒーは喫茶店で飲むものという固定観念があるのだろう。

そう考えれば、もうひとつの謎にも自ずと答えが出る。夏はクソ暑いのにジュースの購入量が少ないという謎だ。喫茶店がそこら中にあるからジュースの販売機なんかいらないのである。ジュースの購入量が全国で下から3番目というのは当然だろう。炭酸飲料は多い方だが、上位に来ないのは喫茶代に組み込まれてしまうからである。

ベビースター★お菓子な小倉トースト

ベビースター★お菓子な小倉トースト

さらに深く掘り下げていこう。名古屋市に住むのえるさんが書いている Another Side なごやによると、古い喫茶店には小倉トーストというメニューが必ずあるらしい。他県人から見ると、トーストにあんこをのっけるという発想が信じられないが・・・

しかし、この小倉トーストが生まれた背景も今までの考察から容易に想像がつくのである。名古屋人は葬式まんじゅう最中を子供の頃から食べる機会が多い。そして、喫茶店がいたるところにある。そうすると、喫茶店は独自のサービスを編み出そうと必死になるわけだ。普通のトーストじゃ客足が安定しない。

『じゃあ、どんなものをトーストに付けようか?』と考えたとき、あんこが頭に浮かんだとしてもまったく不思議ではないだろう。全国平均よりたくさんのあんこを食べているから、違和感なんかありっこないのだ。

こうして理詰めに考えていくと、名古屋人は古風な日本人だということがわかる。言葉がちょっぴり変わっているけれども、それにしたって今までの考察から説明できる。長いこと日本が鎖国をしていたことから見て、また、現在の日本が難民受け入れに消極的であることから見ても、日本人が排他的な社会に慣れ親しんでいることは明白だ。だから名古屋人は実に日本人らしい生き方をしていると言える。

その結果として、隣県ともまったく違う名古屋弁が生まれ、同県人の絆をより強固なものにしている。そして、あまりにも絆が強すぎるために他県人から悪口を言われることもしばしばあるわけだ。

うん、今日はなかなか冴えてる。我ながらあっぱれ! この考察に異論がある人はどこからでもかかってきんしゃい。名古屋の喫茶店問題はこれにて一件落着ぢゃ!

【不思議なランキング】終わり