気分はジェットコースター

釣りのあとで

1997年7月12日

波平さん陸に上がると庄治郎丸の専務さんが暖かく迎えてくれた。釣れない時でもこの人と話すとホッとするよ。トゥナイトに出てくる山本晋也監督に似ているから、mahi2 は監督と呼んでいるのだが、一般的には波平と呼ばれているらしい。

そう言えばサザエさんに出てくる波平さんにソックリだね。地元の FM 湘南783(ナパサ)にも朝のレギュラーで出ているんだよ。話し好きでとても面白い人なんだ。

今回はシイラの話をしたんだけど、魚屋さんでシイラを見たことは皆さんないだろう。オデコが出っ張っているし、黄色っぽいから何となくまずそうに見えるもんね。でも、意外なことにみんなはシイラを食べているのだそうだ。

1キロ500円ぐらいの安い魚なので主にお弁当屋さんが買うらしい。お弁当の中に入っている白身魚のフライは大部分がシイラなんだって。知らなかったでしょ。

見た目は良くないけど、結構美味しいんだ。庄治郎丸のお客さんでもシイラがあ れば欲しいという人が多いので、「キープしてくれれば、ありがたくいただきます」と専務さんは言っていた。大き過ぎて持ち帰れない時なんか、少しだけ切ってもらうといいだろう。

FISHERMAN5人で食事をしたあと、平尾夫妻と別れて3人は Tomy の家で一眠り。夕方サンスイ大和店へ折れたロッドと同じものを買いに行くことになった。ここは非常に店員が面白い店である。

ハイパートゥイッチンの新品を買って、このあいだ釣ったシイラの写真を自慢すると、すかさず店員の中村さんが擦り寄ってきた。この人はソルトウォーターの世界にどっぷり浸かっているので普段はあまり会話がないのだが、Tomy がシイラに興味を示したので会話に加わってきたのだった。

ご覧のシールに描かれている魚の2番目がシイラだよね。その下にいる魚達はま だまだ Tomy とは遠い世界の魚達だ。シイラ釣りはシーバスの次の段階で、ソルトウォーター・フィッシングのまだまだ入門編なんだよ。その先がたーんと用意されているわけさ。

中村さんは、その遠い世界で待ち構えている地獄の番人なのである。この人の釣 りこそ本当にスポーツと言うべきものだろう。銭洲、奄美、宮古島などで超大物を相手に格闘するのだ。相撲取りのように太い腕をしているのだが、過去2回も釣りすぎて手首を疲労骨折しているというから恐れ入るね。

「銭洲行ってさぁ、ジグをガンガン巻くのよね。そうすっと、エサ釣りより釣れるんだな。コレが!」

そう言って中村さんはぶっとい腕でリールを巻く格好をした。物凄い早巻き。カンパチだかヒラマサだかわからんけど、引きはシイラ以上なんだろう。そいつらを力でねじ伏せてしまうパワーフィッシングの話は乗ってくると止まらない。

「バンバン釣れるワケよ。そんでもってさぁ、魚を高々と持ち上げて見せびらかしといて、ダァーッとぶん投げるわけさ。俺、魚あんまり食べねぇからさ」

サンスイの中村さん(Flash)

中村さんは得意満面で両腕を高く差し上げて両手をパーッと広げ、魚を放り投げる仕種をした。

「そうすっとね、エッサマン達の顔色が白黒写真みたいになるわけよ。そのうち、「兄ちゃんたちぃー、逃がすんだったらくれよ」なんて言い出すけど、無視してまたダァー、これでもかこれでもかってぐらい釣ってはダァー!

「そうすっとね。腕が折れちゃうんだよ。面白いから釣ってる時は痛さを感じないんだけどね、帰りの車の中で腕がブクブクに腫れ上がってきてさ、医者行ったら“折れてます”って言われたワケよ」

まったく、とんでもない釣りである。そんな魚を相手にしたら、Tomy なんか海に引きずり込まれてしまうだろう。

もし、魚と本当に戦える腕と力を持っている人は中村さんに会いに行ってみるといいだろう。遠征でいないこともあるので、電話で確かめた方がいいけどね。中村さんはいつでも地獄の入り口で待っていてくれるよ。皆さんにヤル気さえあれば。