いきなりスペシウム

師走の本当の意味

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1997年12月27日

前ページで書いた通り、Tomy はものの3分で大物を釣り上げてドラマチックじゃない展開になってしまった。こういう場合、テレビだったらどうなるかをチョット考えてみよう。

妄想モード

「いきなりデカイのが釣れちゃったね。驚いたな」(監督)

「最初に大物であとが尻すぼみじゃマズイですよね。編集してこのシーンは最後に回しときます」(AD)

「いやー、3分で僕の仕事は終わったね。たまには早く帰ろう。こないだなんか1日分の収録に3日もかかったじゃん。あんときゃ、参ったよ」(Tomy)

「あのときは苦労しました。久々に Tomy フィッシュオン! のナレーションを入れられます。良かったぁー。スポンサーが喜びますよ」(監督)

「ところで、本日の当たりルアーは KEN CRAFT ということでまとめさせてもらいます。いいですよね?」(AD)

「ああ、そうだ! Tomy さん、そのリールはマズイっすよ。それはステラでしょ。こっちのシルスターに持ち替えてもらわにゃー!」 (監督)

「様子見のつもりで TD バイブとステラを使ったけど、しゃーないね。スポンサーにばれないように頼むよ」(Tomy)

妄想モード終わり

これは Tomy の作り話だから信用しちゃ困るよ。でもさ、テレビの裏側なんて、えてしてこんなものだと思わない? とにかくスポンサーの製品を売ることが第一の目的だから、これぐらいの嘘は常識と考えた方がいいと思う。定置網で獲った大物をキャスターのハリに掛けるなんてことまではしないと思うけど・・・

いやはや、今回の釣り日誌もかなり構成が難しいよ。実は釣りが終わったあと、題名がなかなか思い浮かばなかったんだ。帰りの車中でソル男さんと相談したのだが、「今回の題名は【終わりよければすべて良し】が無難かね?」なんていう話をしていた。

しかし、それじゃ、あまりにヒネリがなくてつまらない。読者に何だろう? と思わせて、読んでからなるほどねと唸らせるようなタイトルが Tomy は好きなんだ。いろいろ考えて【いきなりスペシウム】をヒネリ出したのだが、タイトルひとつ考えるに4時間もかかってしまった。

だけど、このタイトルを考えるのも今ではひとつの楽しみだ。こうして釣り日誌を画像とストーリーでまとめ上げる作業は釣り以上に面白いかもしれない。苦しい時もあるが、苦しみを乗り越えて楽しい文章が書けたときの喜びは大物を釣った喜びに似ている。もしも釣り日誌を書く作業がなかったら、このあいだのカワハギ釣りは、まさに極寒地獄。楽しい思い出としては決して残らなかっただろう。

さてと、それでは今回の釣りに話を戻そう。Tomy がウルトラマンに変身して大物怪獣を一撃で倒したので、そのあとは科学特捜隊の小物狩りという不思議な展開になってしまった。これはテレビ番組としてはありえないストーリーだ。ぜんぜんドラマチックじゃない。だから、今回はなおさら文章が難しくなってしまった。

Tomy はその後も TD バイブオンリーで次々に45センチぐらいのフッコを釣り続けた。ここまで手返しがいいと、エサ釣りよりも断然楽しい。あいにく他の2人は TD バイブを持っていなかったので Tomy ほどの爆釣は味わえなかったが、それでもまあまあの型を飽きない程度にヒットさせたから良しとしなければ。

1時半終了になったが、今回は楽しい釣りができてみんな満足だった。翌日にはソル男さんやミスター・マジックも釣具屋に TD バイブを買いに走っただろう。

ダイワ TD バイブレーションシーバス チューン

こうして97年の釣りはメデタク締めくくることができた。その後3人は鶴見区でラーメンを食べ、ミスター・マジックは関内のパブに直行。残るソル男さんと Tomy は国道1号を通って平塚に帰っていった。

ソル男さんの家で獲物を分けあって Tomy が伊勢原の自宅に帰ったのは6時頃だったかな? Tomy は釣り日誌執筆のため、それから8時半まで深い眠りについたのだ。とても平和な気分だったよ。

さて、8時半に起こされた Tomy はしばらくテレビを見たり新聞を読んだりして疲れをいやしていた。年末特番の“世界不思議発見”を見たのだが、キリがなさそうなので風呂に入ることにする。いつもロッドやリールの後片付けを済ませぬうちに釣り日誌を書き始めてしまうので、この日は風呂でロッドやリールに付いた塩分を洗い流そうと考えたのだ。

まず、ロッドを2本ケースから取り出して・・・、続いてリールをタックルボックスから・・・。 ニャイ! 大切なステラがどこにもニャイ!

これは Tomy 自身もまったく予想しない展開だった。気が動転してしまい、記憶が脳の中で断片化して呼び出せないのだ。

慌ててノートン先生登場! 急いでニューロンの断片化を修復すると・・・。そこに恐るべき事実が浮かび上がってきたのである。最初はソル男さんの道具の中にまぎれ込んでいるのではないかと思ったが、実は車を置いてあった道端のツツジの植え込みの上にロッドから外して置いてしまったのだ。

『シマッタァー!!!!』

とんでもないことになった。せっかくの幸せムードはどこかに吹っ飛び、スクランブル発進しなければならなくなった。 ステラ4000ハイスピード、何と5万円の超高級リールなのだ。時刻は午後10時、しかし、そんなことは問題じゃない。Tomy は夜目の利くアイルトン・セニャに変身して夜のハイウェイを爆走した。

アイルトン・セニャ(Flash)

セニャは国道246、保土ケ谷バイパス、首都高速を誰よりも速く駆け抜けていった。

『ステラ、待っていてくれ!』

伊勢原から狩場までが30分、そこから大師を経由して港町までが30分。セニャは必死のドライビングで現場に11時ジャストに到着。さっそく捜索にかかる。まるで大学受験の合格発表を見に行くようにゃ心境だったね。ドキドキして震えるようだった。

パッと見渡したときには見つからにゃかったが、ツツジをかき分けてみたら銀色に光るものが!

『あ・あったぁー!』

1日で2度目の感動。1粒で2度オイシイ。本当に疲れたが、これでニャントカ年が越せそうだ。まったく師走は忙しく、目が回ってしまう。

大師まで2度走る忙しい年末の様子。これが師走の本当の意味だったんだね。