Web 文学について

1998年1月7日

Tomy の場合、釣りをしている間も実にいろいろなことを考えています。普通の釣り人が考えないようなことを・・・。手の方はもちろん釣りをしていますが、それは多分、脳ミソを包む薄皮1枚によって動かされているのでしょう。難しい言葉で言うと大脳辺縁系とかいうところが勝手に手を動かしているのです。

人間は交通事故などで頭部に外傷を負うと、手足や口が麻痺するでしょ。でも、物を考えることはできることが多い。それは手足や口、耳といった感覚器官が大脳辺縁系に集中しているからなんです。

じゃあ、Tomy は釣りをしているときに何を考えているのでしょうか。今日は釣りに行きませんでしたが、その辺のところを文章にしてみようと思います。

きのうかな? Tomy はショートショートの達人、星新一が亡くなったことを知りました。ショートショートは大好きだったので、中学生ぐらいの時に夢中で読みあさりましたよ。皆さんもこれを機会にショートショートを読んでみてください。

ショートショートは短い文章の中で読者を『ハッ!』とさせるようなオチをつける手法ですが、これはやってみると非常に難しいです。

まず、結論とはかけ離れたところから話がはじまり、最後のページに(と言ってもすぐですが)読み進んでいきます。すると『エッ?! もう終わっちゃうの?』という感じを読者に抱かせておいて、最後の2行ぐらいで鮮やかなオチをつけるんですね。見事と言うほかに言葉が見つかりません。『こんな文章を書いてみたい!』きっとそんなふうに感じていたのでしょう。

でも、Tomy はショートショートとは違う、独自の路線を開拓することにしました。鮮やかなオチは難しいけど、意外性のある展開なら少々自信があるんです。それに、ウェブ上でしかできない見せる文章にも取り組んでみたいし・・・。

さて、星新一のほかに Tomy が好きな作家が数人いるんですが、今回はついでにその名前も書いてみます。

まず一人目は川端康成。何でかと言うと、短い言葉で鮮やかに情景を浮かび上がらせるから。そして書き出しと終わり方が絶妙なところもたまりません。ストーリーの面白さより、言葉の使い方に芸術性を感じます。

そして二人目は、なだいなだ。“ナダ・イ・ナダ”とはフランス語で“なんにもない”という意味らしいのですが、この人の文章はすっごく面白いです。実際に起こったことを巧妙に笑える文章に仕立て上げるところなんか、知らず知らずのうちに真似ているかもしれません。

さらにもう一人挙げるなら開高健でしょうか? 釣りに関する文章で開高健の右に出る者はないでしょう。『へぇ〜、こんな表現方法もあるのか…』と何度も驚かされました。ときには比喩が複雑すぎることもありますが、釣りの文章では、脳天を直撃するものが多いです。

考えてみてください。文学というのは文字を並べているだけなのに、心が動かされるのです。自発的に読まなきゃいけないから面倒くさいけど、漫然と見ているテレビより、得るものははるかに大きいでしょう。

ホームページの心臓も文章なんですよ。文章をより面白くするために音や画像を付けているのです。文章だけじゃ小説家にかなわないけど、イラスト、MIDI、アニメーションまでひとりで作れるようになれば、かなりオモシロイ。見ている人を楽しませる前に、自分がいちばん楽しめます。

じゃあ、そろそろ本題に移りましょうか。

今回は Tomy の文学的手法についての話です。と言っても大したものじゃないけど…。Tomy が得意とするのは“ことば遊び”つまりパロディーですが、どんなふうに連想して“ことば遊び”を完成させていくのか、その辺を知ってみるのも悪くないと思います。あなたもこれを読めば釣り日誌を書いてみたくなるかもしれません。

実を言うとですね、このあいだ Tomy がアイルトン・セニャに変身してステラを捜しに行った話は記憶に新しいと思いますが、あのときは不漁を予想してもうひとつの話を用意していたんです。予想外に大物が釣れてしまったのでアイデアをしまっておくことにしましたが、今週は釣りに行きそびれたので披露しようと思います。

さあ、前回の釣り日誌を思い浮かべましょう。ネジを巻き戻して・・・、多摩川から東京湾に出るところに時間を戻します。用意はいいかな?

日付は97年12月27日土曜日、天気は曇り、風は穏やかで波もほとんどありません。Tomy、ソル男さん、ミスター・マジックの3人は22フィートの小型ボートで東京湾に滑り出して行きました。思い出しましたか? そのとき一緒に行ったソル男さんやミスター・マジックはシーバス釣りのことだけを考えていたと思いますが、Tomy だけはまったく別のことを考えていたのです。

Tomy は何と! もう既に決まってしまった“海ほたる”の別称を考えあぐねていたのですよ。それがバカな話なんで、まあ聞いてやってください。

『1兆4千億というと、国民ひとり当たり1万円以上の税金を東京湾アクアラインにつぎ込んだことになるよな。それはドエライ無駄遣いとちゃうんか?』

『アクアラインのおかげで儲けたのは千葉のゴルフ場とシーバス釣りの関係者ぐらいだろう』

『おかげでシーバス釣りの好ポイントができたけどさ…。わずか15キロの距離を往復するのに8,000円だぜ・・・』

『おお、そうだ! 血税パヤオ(人工漁礁)なんていいかもね』

『待てよ、いまいちヒネリが足らんな。それに茶化しも足らん!』

『うーん、海ほたるって見た感じが軍艦みたいだなぁ』

『空母というか戦艦というか…』

『そうだ! “固定戦艦パヤオ”なんてどうかな?』

【固定戦艦パヤオ】作詞:Tomy

♪さらばぁー バブルよー 旅だぁーつ 船はー♪

♪固定戦艦 パー ヤー オー♪

♪タタタ タンタターン タタタ タンタターン♪

♪ゼーネコン汚職 かーんきょー破壊♪

♪浪費の果てに いま〜 旅ぃー だぁつー♪

♪トンネル 工事ぃー 橋のー けんせつぅー♪

♪税のー かぎりをー 尽くしーて ここぉにー♪

間奏(MIDI)

♪浮ーかんだ 島は じーんこう 漁礁♪

♪きーたーいーの つぅーりば〜♪

♪固定戦艦 パ〜 ヤ〜 オ〜♪

エンディング(MIDI)

ばかばかしいでしょ。こんなことばっかり考えているから釣りの方はいつまでたってもヘボなんです。

まあ、こんなので良かったら今年もよろしく。