コロネット作戦

パラレルワールド

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1946年3月1日

ニャホン国民はラヂオの前に正座して玉音放送に耳を傾けていた。ニャホンは遂に敗れたのだ。ガダルカナル、硫黄島、そして沖縄。ニャホン軍は南の戦場でことごとく破れ去り、さらに1945年11月には南九州が制圧されてトコトン追い詰められた。相模湾に170隻の連合軍艦隊が集結し、いよいよコロネット作戦が始まろうとしていた時のことである。

しかし、これはニャホン軍が仕掛けた巧妙なワナだった。《敵をあざむかんと欲すれば、まず味方から…》古いことわざの通り連合艦隊撃滅作戦が秘密裏に開始されたのである。

この作戦はすべて文書で前線基地に伝えられ、しかも作戦の全容を知る者は各隊の隊長のみという極秘の指令だった。天皇は三種の神器を携えて皇居を出発し、長野市松代に掘られた大本営地下壕からウソの玉音放送を流したのである。

何と! 戦局が危うくなった1944年。ニャホン軍は長野への遷都を計画。朝鮮人を強制連行して危険な発破作業などに従事させ、巨大な大本営地下壕を1年未満で完成させていた。

そしてまず、ニャホン軍は厚木基地から撤退し、敵の司令官マッカーサーをおびき寄せることに成功した。更に、ポツダム宣言受諾書にサインすると見せかけて戦艦ミズーリ以下32隻の敵艦隊を東京湾に誘い込む。

3月14日、戦勝気分に沸く連合軍を悲劇が待っていた。厚木基地の地下に潜んでいた突撃隊が戦勝パーティーの最中に、ありったけの爆薬に火を放ったのだ。その凄まじい轟音は遠く東京湾にもこだまし、それを合図に連合艦隊撃滅作戦が一斉に開始された。

相模湾では海龍と回天が敵空母に特攻を仕掛け、東京湾に誘い込んだ敵艦隊には東京湾守備隊から強烈な十字砲火が浴びせられた。真珠湾以来の奇襲作戦である。

「隊長、いよいよですね」(少年兵)

「遂に来るときが来た。今こそ訓練の成果を見せるノラ!」(瀬名大尉)

震洋特攻隊の隊長瀬名大尉は731部隊によって生み出された人造ニャンゲンである。彼は猫の敏捷性と夜行性を兼ね備え、たとえ真っ暗な夜の海でも敵艦に体当たりできるのだ。

「みんにゃ、俺についてこい!」

(`⊥´)/

「えいえいおー!」

瀬名は隊員3名とともに野島のトンネルから震洋を海に下ろし、味方の十字砲火の合間をくぐり抜けて敵艦隊を目指した。整備に整備を重ねた豊田製ガソリンエンジンは85馬力を発生させ、震洋隊は26ノットのフルスピードで突っ込んでゆく。

作戦はうまくいっている。敵は十字砲火から逃れようと必死に旋回しているためか、震洋隊の接近にはまったく気づいていない。間近に近づく敵艦の後ろ姿。

そしてまさに運命の時が迫っていた!


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