シイライズ

鳥山を狙え!

1998年8月15日

Tomy が庄治郎丸に姿を現わしたのは4時過ぎ。それなのに DADA 隊員から「遅いよぉー!」という声が上がった。出船は6時だから遅くもないのだが、このところテレビでシイラ熱をあおるものだから、みんな寝ないで待っているのだ。

「何時に来たんだよ」(Tomy)

「僕は2時半から待ってる」(DADA)

ほーらね。こういう精神異常者が多いんだ。シイラも災難さ。彼等にとって、とんでもない釣りが流行ってしまった。今年は大軍でやって来たが、連日のルアー攻撃で戦死者多数。もうペンペンでさえ用心深くなっている。

お盆だというのに庄治郎丸だけで80人の大盛況。その上、各船宿こぞってシイラ乗合いを出しているから、シイラがいそうな海域は“やれ行け! それ行け!”の大混雑だ。

「鳥山だー! イケイケー!」

「ナブラじゃ、ナブラじゃ!」

「今度は左! いそげー!」

お客が四方八方を血眼で探しているから船長も大変。海上を右往左往の大騒ぎ。大きな鳥山がたつとシイラ船が全速力で集まってくる。

今日は珍しく三浦半島に向かったのだが、そこには今まで見たことがないぐらいの大船団が集結していた。おそらくこっちで釣れているという連絡が入ったのだろう。シイラ・カツオ船団が虎視眈々と鳥山を狙っている。

「今度は左だぁー! イケイケー!」

「いや、右の方がでかいぞー!」

何度か鳥山に駆け付けたのだが、一歩及ばずが続いていた。500メートル先の鳥山に全速力で駆け付けたときにはもう遅い。鳥が集まる方向を予測して船を進めなければダメだ。足の速さが半端じゃない。沸いては消え、また沸いては消え…

「何の鳥山だろうねぇ?」

「サバかな?」

サバ化ナトリヤマ:(ちまたでは、ちょうど毒物混入事件が流行っていた)

これが強い中毒症状を起こす新種の毒なのだ。鳥山を見るともう、胸がワクワクドキドキしてしまう。カツオかな? シイラかな? 足が速いからサバかカツオだろう。チャンスは良くて2キャスト、たいていは1キャストが勝負を決める。

船上は遊びという感じがまったくないほど殺気立ってきた。ルアーブームに乗って女性も2人ほど乗っているが、おそらく雰囲気に呑まれているだろう。

「みんな投げて投げて!」

インストラクターの声で全員ルアーを投入。Tomy はトップで勝負しようと思い、アイルマグネットのスプラッシャータイプを投げ込んだ。

アイルマグネットこいつは初めて使ったのだが、よくできたルアーだ。ゆっくり引くと弱ったイワシそのもの。ロッドを立てて引けば水面をピョコピョコ飛び、竿先を水面につけて早引きすれば水中で泳がせることもできる。

運良くイワシ団子が目の前に来た! イワシ団子の際にアイルを投げてトゥイッチトゥイッチ。

よーしキタ! ビューンとラインが走り、魚が猛然とダッシュする。上がったのはメジマグロ。やりましたぁ〜。

メジマグロじゃ!

子供とはいえ本物のマグロですよ。