燗番娘と犬走り

10時頃釣りをはじめたが、約30分で最初のアタリ。しゃくった瞬間にグニュッとイカを引っ掛けたのだ。

「きたみたいよー!」

なかなかのサイズらしい。これまでの経験から考えると300グラムオーバーの重みである。少し離れて釣っていたソル男さんがアミを持って駆け寄ってきた。

「あっ! 軽くなった」

つまりバラシである。3度目にして初のバラシをしてしまった。そう言えば、ちょっと焦りすぎたかもしれない。ラインテンションは確保していたが、リールの巻きが速かったらしいのだ。

それから2時間が経過した。

月がいい具合に出ているのに2人ともアタリはまったく感じない。ズル引き、シャクリ、いろいろ試したがどれもダメだ。

『アレしかない。アレしか…』

夜中の12時半に一旦休憩タイム。Tomy はアレを買うために下田駅前のローソンに行った。そう、アレというのは Tomy のラッキードリンク燗番娘のことだ。前回も、そして前々回も燗番娘を飲んだら釣れたのである。

もちろんソル男さんも Tomy のラッキーを知っているので、同じようなものを購入した。燗番娘にフグヒレが入ったフグヒレ酒だ。しかし…、結果から先に言うと、フグヒレは入っていない方がツキを呼び込めるらしい。高ければいいってもんじゃないのである。

暖まったところで Tomy は1時半に戦闘を再開。ソル男さんは「釣れたら呼んでね」と言ってクルマで一眠りすることになった。月は西の山陰に沈もうとしている。堤防のそばには10台ほど車が停っているが、他の皆さんは早朝の釣りに備えて就寝中らしい。

またしても“誰もいない海”状態がやって来た。そろそろ酔いも回ってきたところで、南アオリの登場だ。(前回の釣り日誌を参照されたし)

Tomy は♪犬走り堤防の歌♪そのままにオレンジのエギを選んでお得意のポイントを攻め続けた。かなり風が出て釣りにくくなったが、風のゆるくなる瞬間を待ってエギをフルキャスト。歌を歌いながら十分にエギを沈める。

そして、エギが底をコツコツたたいたら抵抗があるところまで巻いて手を止める。そこでラインを一旦ゆるめ、鋭くシャクリ上げる。しゃくったらすぐにラインをゆるめてフリーフォールだ。

その後ゆっくりラインのたるみを巻き取り、次の出っ張りを探す。キスの投げ釣りでもそうだが、海底が変化しているところにイカもいるだろう。別に本に書いてあったわけではないが、極く自然にそのような動作を繰り返していた。

すると、抵抗を感じて一旦ラインをゆるめたあと、鋭くしゃくったときに海底がはがれる感覚があった。かなり重いのでイカに違いない。慎重に引き寄せるとクイクイと引っ張られる感触。もう間違いない。さらに慎重にリールを巻き、Tomy はヘラブナ用の玉アミでアオリイカをすくい上げた。

520グラム

グラスの玉アミがグニョリと曲がり、ズッシリと重い。かなりいい型だ。あとで計量したら560グラムのなかなかサイズだった。

『今がチャンスだ!』

Tomy は大喜びで犬走堤防を走った。もちろんソル男さんを呼びに行ったのである。アオリは釣れはじめるとバタバタッと釣れるのだ。

ソル男さんは眠そうだったが、何とか起き上がった。Tomy が釣ったアオリを見て急に元気づく。しかし、彼はタモ入れ係として呼ばれたのだった。ほどなく Tomy が300グラム級をヒットさせたものの、あとが続かない。

2時から3時まで2人ともアタリなしで、3時半の干潮が近づいた。こうなるともういけない。これ以上粘っても無駄なので、2人は3時頃仮眠することにした。残りは朝まづめの一時である。

さあ、残りはわずかだ。

2人は4時半に戦闘を再開。6時半の夜明けまで残り2時間の勝負になった。しかし…、5時半を過ぎてもアタリはない。残りは1時間である。

「もう、きょうはダメだ。下田まで来てボウズかよー」

「諦めるのはまだ早いよ。あと1時間頑張ろう!」

別に確信があるわけじゃなかったが、あと1時間だから頑張るしかない。風はだいぶ強くなったが Tomy はシャクリ戦法を繰り返した。そして、遂にヒット! もうすぐ6時になろうという頃に250グラムをフニュッと引っ掛けたのだ。

「いいな、いいなぁー、何で俺には来ないんだ!」

「しゃくるんだよ、シャクリ!」

「やってるよぉー!」

しかし、2人のシャクリには微妙な違いがあったのだ。Flash を見てくれ。

ラインをゆるめた状態からの急激なシャクリはエビの動きに似ているのではないだろうか? これがアオリイカにはたまらないのよね。多分…

6時キッカリ、またしても Tomy のシャクリに400グラムが乗った! そして2投後にも300グラム級。もぉー笑いが止まらない。ズル引きじゃないからしゃくる瞬間までフニフニというイカ特有のアタリは味わえないが、この方法はなかなかいいようだ。しゃくった瞬間にグニュッという独特の重みが感じられる。

「そろそろアオリーキング2号を名乗ってもいい?」

-t( ^⊥^)。o 0

「うん、認める。そのかわり僕にもお裾分けお願い」

m(_ _)m

「いいよ、分けてあげる。にゃはは・・・」

( ^⊥^)/( ;_;)

というわけで、Tomy のエビングが大勝利を収めたのでした。皆さんも是非お試しください。

新年もアオリイカ釣りではじまる予定です。