我らアオリイカ工作員

1999年1月9日

その後、Tomy は巡視船とダ補された中国船の間に移動してスミイカを狙うことにした。ここはアオリーキングmasaさんに教えてもらったスミイカのポイントなのだ。だが、ここではおよそ30分粘って釣果なし。小型のエギを1個海底からプレゼントしてもらったけどね。

再び堤防に戻ってキャストを続けたが、3人とも長時間アタリすら感じなかった。時刻は5時を回っている。朝マヅメの一時が次の時合なのだろうか?

しかし、諦めずにシャクリ続けたTomyはここでグッドサイズを掛けた。およそ700グラムと読んだが、今度は50グラム目測が外れて650グラム。今晩は2ハイで1キロを軽くオーバーだ。なかなか効率がいい。

アオリイカ650グラム

これぐらいになると掛かった箇所にもよるがかなり引く。引っ掛けた瞬間にはドラグもわずかに逆転するぞ。『根掛かりか?』と思った直後に海底がはがれる感覚があり、続いてゴミを引き上げるような感覚になる。そして最後はキュンキュンというリズミカルな手ごたえに変わるのだ。水面から持ち上げると“バシュー バシュー”と水を勢い良く噴射。気をつけないとスミを吹かれるから上げた直後は注意しよう!

「エギの色は?」

「こないだからオレンジ1本槍だよ」

「おっかしいなぁ〜! オレンジも使ってるのにな…」

ソル男さんは納得いかない表情だった。前回とは違い、Tomyの方法を真似ているのにアタリがないらしい。同じようにやっているつもりでも、ロッドの長さの違いで微妙にシャクリの幅が違ったりするのかもしれない。Tomyの場合は8フィートのロッドだが、ソル男さんはそれより短いバスロッドを使っていた。

釣れていると不思議に集中力が持続するものだ。またしばらく誰もアタリを感じなかったが、6時頃になってまたしてもTomyのシャクリにヒット! 今度も600グラム級の手ごたえである。

残念ながらコイツは水面に出た瞬間バレたが、2投後にまたヒット! これが320グラム。さらに夜が明けた6時35分、今度はシャクリから中層のタダ巻きに切り換えて、ピックアップしようとしていたら中層でヒット! これが200グラムだった。

中層で釣れたのはこれが初めてだ。エギを水中で引ったくるような乗り方には非常に興奮する。掛かったのは触手の先だったが、イカの触手はかなり素早いのだろう。まるでカメレオンの舌のようにギュイーンと伸びるようだ。

しゃくって浮き上がらせたあと、中層をゆっくりタダ巻きというパターンもたまに試してみるべきかもしれない。次回はオモリを軽くして中層を曳きやすく改造した超スローシンキング・エギも用意しなくては…。(お風呂で試すとオモリを削りすぎてしまう危険性あり。海で調整しよう!)

おそらく食いが立っているときは中層で積極的に餌を追うのだと思う。餌釣りの人にアオリが来たときが中層タダ巻きを試すチャンスだ。なお、こういうときはラインを張った状態でカーブフォールさせてやれば、フォール中の乗りも感知できるだろう。渋いときはフリーフォール、食いが立ったときはカーブフォールなのかもしれない。

空が青みを帯びてきた。

カラスやトンビが堤防近辺を飛び回っている。スミを吹かせるために釣ったアオリをしばらく放置しておくのだが、トンビが狙いをつけているようだった。

『あぶない、あぶない。トンビにアオリをさらわれちまう』

Tomyは放置してあった2ハイを袋に入れ、あと2投ほどしたら納竿しようと思っていた。しかし…

辺りがすっかり明るくなった午前7時にまたもやヒット! 帰り支度をはじめていたソル男さんも再び色めき立ってキャスト再開だ。(もう遅かったけど)

5ハイ目は325グラムでトータルは2095グラム。とうとう2キロ突破である。このときTomyはYosさんに「2キロちょいあるね。2キロ100ぐらいあるかもしれない」と言ったのだが、誤差は驚くほどわずかだった。

やはりお肉屋さんになればよかった。

(`⊥´)ゞ

Tomyだけ、やけに調子が良かったが、その原因は今も不明である。もしかするとオレンジのエギ(YOZURI SQUID JIG OITA. SIZE: 3.5. COLOR NO. NT/9)は犬走り用に開発されたのかもしれない。他の隊員もオレンジを使っていたのだが、なぜかこればかり当たるのである。

あと、他に注意点を探すとすれば、とにかく遠投することだろう。犬走堤防は足元で掛かることもあるが、ヒットが多いのは堤防から30メートルぐらい離れた所が多いようだ。したがってバスロッドでは若干パワー不足。Tomyが使っている8フィートのシイラロッド(12ポンドライン用ミディアムライト)ぐらいがちょうどいい。

今年シイラをはじめようと思っている人は最初のロッドに迷うだろうが、もう迷う必要はなくなった。8フィート、12ポンド用のミディアムライト。これならシイラがシーズンオフになっても十分活躍の場がある。年中無休の大忙しロッドになるはずだ。(110センチを超えるシイラや3キロ級のカツオには若干パワー不足)

その他にタチウオ・ジギング(スピニング)も ∂(`⊥´)

堤防・ボートからキスのちょい投げも ∂(`⊥´)

砂浜からヒラメ狙いのジグキャストも ∂(`⊥´)

さて、朝食後。

COMBATは稲生沢川でメッキを狙うことになった。Tomyはメッキにはノータッチで寝ていたが、タコレンジャーとYos工作員はまだまだヤル気十分だ。様子をちょっと見に行くと、ボラの大群に混じってメッキも大群泳。

『これなら2人もイカのかたきを討てるだろう』

Tomyはそう思って8時過ぎから車の中で熟睡モードに入った。日が高くなり、車の中が暑くなって目覚めると、時刻は10時半を回っている。

『あれま、2時間半も飽きずにやってるよ』

しばらくして2人は帰ってきたが、釣果はYos工作員の2匹と40センチのウグイだけだったらしい。たくさんいても、もう元気はなく、ルアーを追わなくなってしまったのだ。アオリーキングmasaさんの話によるとメッキが釣れるのは水温16度程度までという話だった。

試しに下田の水温をインターネットで調べてみると、9日は15.4度まで下っていた。もうそろそろメッキは死滅してしまうのだろう。死滅回遊魚とは何とも悲しい運命である。これを人間社会にたとえると、ロケットで宇宙に飛び出してはみたが、帰りの燃料がないという状況に似ている。

まあ、こんなこともあるだろうと思って前回釣ったアオリとスミイカを氷がわりに持ってきたのは正解だった。Tomy隊長はその2ハイを隊員達へお土産として気前よく渡したのである。「貸しね」の一言とともに…。

いつになったら返してもらえるかわからないけど、こっちが絶不調に陥ることもあるだろう。そのときのために保険を掛けておいたわけ。“小さな親切で大きな安全保障”…となってくれればいいけどね。

来週は下田を一旦離れて観音崎沖のタチウオに挑戦するぞ。