(1999.02.20)

作戦本部前気合が入っているでしょ。今回は作戦本部まで設置されていたのです。どうぞ笑ってやってくださいまし。結果はだいたいお察しの通りです。

御殿場にあるPAPAFISHさんのマンションをベースにして、2月19日の晩に“湘南ロケッツ・芦ノ湖スーパードリームカップ必勝作戦会議”が開かれました。・・・と言ってもタダの飲み会ですが。

参加したのはTomy、カーズ@うすい、SIEG、PAPAFISHさんの4人です。ボートの予約は何と10月末ですよ! どれだけ湘南ロケッツのメンバーが入れ込んでいたかがおわかりでしょう。目標は当然、メンバーの中から入賞者を出すことでした。

参加者は9名。作戦に使用するボートはモーターボートが3艇、それにフライフィッシャー用に予約したローボート3艇です。

<必勝大作戦とは?>

  1. まず、安全確実な早川沖にモーターボート3艇がスタートダッシュする。と言ってもわずか1分ほどで到着ですが…。
  2. 3艇はゴールデン・トライアングルを形成して、他のボートが三角水域に入れないような間隔をとる。
  3. フライマン3名は湖尻の桟橋沖に並び、“灯台下暗し”を避ける。去年は桟橋沖で60匹も釣った人がいたのです。
  4. フライマンは様子を見ながら徐々に移動。移動中もハーリングやドラッギングでポイントを広く探っていく。(早川沖の編隊は回遊を待って粘る)

以上、だいたい誰でも考えそうな作戦で、目新しいモノは何もありません。必勝作戦と呼べるかどうか、はなはだ疑問でした。作戦会議は1分ほどでアッと言う間に終了し、あとは当然お酒の時間となったわけです。

ここでちょっとメンバーを紹介しておきましょう。まず、写真右が作戦本部を提供してくださったPAPAFISHさんです。この部屋にはアメリカから取り寄せた珍しいトローリング用品が山のようにあって楽しかったですよ。

ミーティングの様子

いろいろ見せてもらったのですが、アメリカの釣り道具というのは日本製とだいぶ違いますね。メガバスルアーに代表される日本の精巧な物作りとは一線を画しています。アメリカの道具はまずデカイ。そして、日本製に比べるとチャチな作り。おまけにアメリカ製はギンギラギンでお魚をバカにしています。

しかし、Tomyはこれが好きなんですね。“お魚をバカにしている”ところが特に好きなんです。日本のルアーは「お魚さん、いらっしゃい! ぼく、おいしそうでしょ」と言っている感じですが、アメリカ製はまったく違います。

「おらおら! オレサマを食ってみやがれ。バカ野郎どもが!!」

みなさん、そんな気がしませんか?

どっちの物作りも正しいのですが、Tomyはどちらかと言うとアメリカ派です。あまりリアルで高価なルアーは好みません。どうも魚の前にひれ伏しているような気がしてならないのです。

『所詮、魚は人間より下等な生物。科学の粋を結集して戦うほどの相手ではない。仕事で魚を釣るなら別だが、遊びなのだから魚にも勝つチャンスを与えてやりたい』

これが“Tomy流釣り哲学”とでも言うべきものです。だからフライ1本を巻くのに要する時間はだいたい5分以内でしょう。スティールヘッドやサーモンを狙うならもう少し時間をかけますが、芦ノ湖のマスごときに貴重な時間を浪費してはいられません。最近巻いているのはアオミドロとゾンカーの2種類だけです。

短時間で巻けてマテリアルが安い。それでいてお魚にはちゃんとアピールする。いらないものを切り捨てていくと、この2種類しか残らないんですね。他はいらないと言っても過言ではありません。

とは言っても、この2種類のフライ、実は巻き方のコツをつかむまでには、けっこう経験が必要なのです。いつも同じものが巻けるようにするには、まず同じフックを使い続ける必要があります。あれこれ浮気してはいけません。Tomyの場合、長年迷った揚げ句、去年からDaiichi 2220の#12、#10に落ち着きました。

ウェイトの量とバランスは何本も作って研究します。よく釣れたフライを分解してウェイトの巻かれている回数と位置を覚えるんですよ。マラブーやラビットファーの分量も経験の積み重ねで覚えます。

だいたいフライフィッシングの初心者はマテリアルを買いすぎて、マテリアルの山に埋もれちゃうんですよね。かく言うTomyもかつてはそうでした。今考えてみると『無駄な金をだいぶ使ったな』と思います。

おっと、写真左のカーズ@うすいを紹介するのを忘れていました。この男、元々はバスマンなのですが、たまたまASHINOKO ONLINEに立ち寄ったのがキッカケでレイクトローリングの世界にはまりつつあります。

カーズはどちらかと言うと日本派ですね。メガバスルアーやオールド・アンバサダーに大枚はたいたり、エアリアルでしたっけ? なんか高そうなロッドをたくさん持っています。最近子供が産まれたのですが、こともあろうに奥さんの入院中、貯金を40万もおろして釣り具を買い漁りました。

「あなた、ねぇ ・・・これ何?」

奥さんは言葉が出ないほど怒ったそうです。きっとカーズが釣ってくる魚は日本一高いでしょう。ぞうきんマス1匹がだいたい2万円ぐらいになるはずです。子供の将来のことなんか全然考えていません。

凝り性なんですよね。本当に呆れるほど道具に金をかけます。しかし、一方では日本の経済を活性化させるために、彼のような人が欠かせないとも思います。みんな貯金しすぎなんですよ。今より将来の日本が悪くなると思って貯金に励むより、『あしたはあしたの風が吹くさ』という気持ちの方が経済を活性化させるのです。

そういったことをテーマにして、現在【漁魔が行く】という長編に取り組んでいるのですが、みなさんはもう読んでくれましたか? 長い作品なので読むならテレホーダイの時間に読んでください。おそらく全部読むのに1時間ぐらいかかると思います。

Tomyは【漁魔が行く】を書くために坂本竜馬に関する本をだいぶ読みました。この日も酒を飲みながら坂本竜馬の話をしていたのですが、カーズの話が面白かったので、ここで紹介しておきましょう。

司馬遼太郎が書いた【竜馬が行く】は分厚い文庫本8巻の大作ですが、これを学生時代に読んだカーズはご両親からこんなことを言われたそうです。

「おまえ、最近言うことが違ってきたね」

そうなんです。【竜馬が行く】を読むと誰もが日本の将来を語りはじめてしまうのですよ。みなさんも読んでみてください。きっとそうなりますから。

* * *

続いてもうひとりの会議出席者SIEG(ジーク)さんをご紹介します。SIEGさんはゴージャスなパチンコ屋さんに勤めていて、今は本社勤務なのですが以前はホールで働いていました。

マイクを握って開店から閉店までしゃべり続けたこともあるそうなので、ここは景気付けにSIEGさんのアナウンスで雰囲気を盛り上げてもらいましょう。

SIEGさん

 「本日は雪でお足元が悪い中、当、芦ノ湖ホールにお集まりいただきまして、ま・こ・とにありがとうございます。漁協関係者一同、みなさまのご幸運をこ・こ・ろよりお祈り申し上げます」

「おっとぉ〜! いきなり出ました。バイオレット3号艇のお客様。第1投で見事フィ〜バ〜的中!

「ジャンジャン、バリバリィ〜! ジャンジャン、バリバリィ〜! お釣りください!」

「またまた出ましたぁ〜! やまびこ1号艇のお客様。連続のフィッシュオン! 爆釣モード継続中で、現在なんと4連チャン!

「まだ釣れていないお客様もアセルことはございません。負けずにお釣りください。お持ち帰りください。スーパーレインボーはまだまだ、たくさんご用意しております」

「釣りの必勝法は1に頑張り、2に粘り、3,4がなくて5に粘りでございますぅ〜! どなたさまも当、芦ノ湖ホールの爆釣をぞ・ん・ぶ・んにお楽しみくださいませぇ〜!」

「いらっしゃいませ! いらっしゃいませぇ〜! どうぞ、中へ中へ、奥へ奥へとお進みください。みなさまにご満足いただけますよう、爆釣ポイントを数多く取りそろえてお待ちしておりますぅ〜!」

*

*

*

このアナウンスは誰でもできるようなものではありません。まず、よく口が回って、リズムとメリハリのあるしゃべりができなくてはいけないのです。途中で詰まると『もうやめようかな?』という気になってしまうでしょ。

そして、声が良く、しかも敬語をちゃんと話せる人というのも必須条件ですね。ときにはオベッカも言えなければ勤まりません。

そこのステキなオネエサマ、なんて言うと毎日来てくれるオバサンがいるんですよ。これを言ってほしいばっかりに…」

このように、心にもないことを平気で言える商売根性がどうしても必要なのです。あなたは真似できるかな? そう簡単なものじゃないと思いますが…。

それにしても、解禁寸前の雰囲気はパチンコ屋の新装開店に雰囲気が似ていると思いませんか? 並んでいる人は誰も負けることなんか考えていないのです。普段の怨念を晴らすことしか頭にありません。 

とは言っても、パチンコ屋も慈善事業ではないですから、みんなに5、6万勝たれてはたまりません。芦ノ湖だって同じことなのです。参加者全員に60センチ以上のお魚が釣れるようにはできませんよ。

でも、そんなことわかっちゃいるんだけど、考えることはみな同じなんですよね。『大物』『入れ食い』『爆釣』。

だいたいこの3つでしょう。考えていることは…。マス釣りに夢を追いかける人達の集い。それが芦ノ湖スーパードリームカップなのです。


そして20日の朝が来ました。
乙女峠の気温はなんと-4 度です!

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