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1999年8月28日
第1投は12時40分ぐらいだった。新しいリールを装着したばかりだから飛距離が楽しみだ。
“シュッ!”
ラインの抵抗が少ないから“ビューッ”という糸鳴りは、ほとんど聞こえない。ラインを張ってヘッドランプでリールを照らすと、赤がリールから出きったところで止まっていた。
『4色ぐらい出たかな?』
しかし、巻き上げてみると赤は3色目だった。力糸を合わせても85メートルしか飛んでいない。
『そ・そんなバカな・・・よぅ〜し! 今度は目一杯の力で・・・』
“ビシュッ!”
しかし、今度も85メートルで、その後、何度やっても85メートルを上回ることはできなかった。たらしを長くしたり、投げ方をオーバーヘッドからスリークォーターに変えてみたが、それでも最高は85メートルだ。
『竿のせいだ。何度やっても同じということは、竿は限界まで曲がっている』
『もっと強い竿に変えなければ、これ以上の飛距離は出ない』
『飛距離を出すにはリールより竿が先だったか・・・』
よく考えてみれば、リールより竿が先だった。竿のパワーが足りなければ、リールがどんなに頑張っても高が知れている。地球に重力が存在するかぎり・・・
「やっぱりスズミの安竿じゃダメだぁー」
「僕のも飛びませーん」
Yos さんが使っている竿は父親譲りのグラスロッドで、30年も前から働いているそうだ。今は存在しないメーカーのもので、ときどき竿先がすっぽ抜けてしまう。多分近いうちに、ふたりとも新しい竿を買うことになるだろう。やはりキスを狙うなら最低でも5色125メートルは飛ばしたい。
「お先にチューハイをいかせていただきます」
「おお、じゃあ僕も・・・」
ボイス・メモ(78KB)
サントリーのスーパー・チューハイは350ml入りが140円。500ml入りが190円なので、まさに「今が買い!」という値段。しかし、ユウスケ・サンタマリアの「今が」というセリフは、どういう意味だろう? 今だけキャンペーン中で安いのだろうか?
Takara の缶チューハイは350ml入りが209円。69円の差はあまりにも大きすぎる。単なる SUNTORY の企業努力にしては開きすぎだろう。いったいこの差は何なんだ?
そこで、Tomy は家に帰ってからインターネットでこの件について調べることにした。まずは Yahoo Japan で Takara とサントリーの URL を調べてみる。
しかし、宝酒造関連ではバイオテクノロジーのページしか見つからない。肝心のチューハイに関する情報は何も見当たらなかった。
『仕方ない、それじゃあ SUNTORY だけでも調べよう』
まず、SUNTORY の Top Page でメニューの順番は、上から順に、ウィスキー・ブランデー、カクテル、ワイン、ビール・発泡酒、ソフトドリンク、南アルプス天然水…となっていた。これは、単純に考えて、SUNTORY が売りたい順番なのだろう。缶チューハイは、まだメニューに載せるほどの商品には成長してはいないらしい。
しかし、スーパー・チューハイの記事は新着情報に載っていた。それによると、スーパー・チューハイは3月の発売から順調に売り上げが伸び、販売計画が大幅に上方修正されたということだ。安さはやはり魅力的。これは相当 Takara にとって脅威となっているだろう。
とうことは、スーパー・チューハイは Takara いじめ?
うーん、そうかもしれない。圧倒的な安さで缶チューハイ市場を荒らし、最終的には安酒が好きな消費者を SUNTORY でガチガチに押さえてしまおうという作戦かも。
みなさん御存知だと思うが、安い発泡酒では SUNRORY の HOPS 生が草分けなのである。缶チューハイ市場を食い荒らすと同時に、同価格帯の発泡酒を更に伸ばしたいと考えているのだ!
その証拠に最近 SUNTORY が発売したスーパーホップス(マグナムドライ)、通称 MD は350ml入りで145円という安さ。缶の色は Asahi に挑戦するかのようなシルバー/ブラックのツートーン、しかもアルコール度数はスーパードライと同じ5.5%なのである。
安酒と ASHINOKO ONLINE は MD の時代に突入か?!
さて、
ここでコマーシャル・フィルムの分析に移ろう。問題のコマーシャル・フィルムとは、ニセモノの藤原紀香が登場する Takara 缶チューハイのものだ。
ニセ紀香「安物飲むか、藤原紀香。安物飲むか・・・」
ニセ紀香の背中からはチョロチョロと元気なく水しぶきが上がっている。ニセ紀香のまわりにはファンらしい男達。
そこへ現れた本物の藤原紀香が叫ぶ!
藤原紀香「そいつはニセ者よ!」
藤原紀香は Takara 缶チューハイを持っている。カメラが紀香をクローズアップ。すると、紀香の背中から勢いよくほとばしる水しぶき・・・紀香、陶酔の表情。
ここで言う「安物」とは、当然スーパー・チューハイのことだろう。しかし、「ニセモノ」と言うからには、何かしらホンモノの証しがなければならない。
『ひょっとして、スーパー・チューハイのレモン果汁はニセモノ?』
いや、SUNTORY の新着情報を読むと、レモン果汁は天然果汁100%と書いてある。じゃあ、焼酎が違うのだろうか? 確か焼酎には甲類と乙類があるはずだ。
(なお、ウイスキー類、スピリッツ類と区別するために、原料のデンプン質を糖化するには、麦芽でなく、米こうじを使用しなければならない)
しかし、焼酎25度、甲類乙類で比較してみても、酒税の差は1,800mlで100円ないのである。焼酎の種類が違ったとしても350mlで69円の大差は生じないはずだ。
では味はどうだろうか? SUNTORY の発表では酒の量販店での スーパー・チューハイの販売構成比は、バラ買いが4割、6パックが3割、ケース買いが3割という割合になっており、まとめ買いが目立つ。
…ということは、味もすでにある程度認められているということだろう。Yos さんは「Takara の方が高い分だけ美味しい」なんて言っているが、Tomy はカルピスサワーでさえなければ何でもいい。
確かに藤原紀香のおかげで Takara のブランドイメージは上がったが、今後 Takara は窮地に立たされるかもしれない。「今が買いってヤツよ!」は今年の流行語大賞を受賞する可能性が高いと思うのだ。このコピーは今のところ今年最高だからね。
で、このチューハイ戦争の行方なんだけど、モロにスーパー・チューハイの影響を受けているのは、今のところ Takara 以外のメーカーじゃなかろうか。なぜかと言うと、元々チューハイをあまり飲んでいなかった Tomy のような消費者は「ニセモノ」という言葉が妙に心に引っ掛かって、Takara と SUNTORY を飲み比べているからだ。
知らず知らずのうちに、みなさんも缶チューハイを飲む機会が増えているだろう。だとしたら、缶チューハイ全体の消費が増え、Takara の缶チューハイも微増傾向にあるかもしれない。