これからの芦ノ湖

(1999.10.16)

つい先日、「世界の人口が60億人を越えた」という発表がありました。中国が12億+?、インドが9億、日本は第9位で1億2千6百万。もうこれ以上増えたら食料はどうなってしまうのでしょう? 現に60億人のうち、8億人以上が慢性的な栄養不良に苦しんでいるのです。

そのうち我々日本人も、魚釣りに使うサシやミミズ、オキアミのたぐいまで食べなければならなくなるかもしれません。紅サシ入りチャーハン、ミミズ麺、オキアミ・ハンバーグ・・・。

そうなったら、今はキャッチアンドリリースが当たり前のバスだって、誰もリリースなんかしなくなります。バスのフライがごちそうになる日がそのうち来るでしょう。

「パパァ〜、きょうはたくさん釣れた?」

「きょうはダメだったよ」 (`⊥´)ゞ

「パパの下手くそ! バスのフライが食べられると思ったのにぃ」

「・・・・・」 (`⊥´!

「釣り道具にお金ばっかり使って、サイテー!」

今は学歴がモテる男の条件に入っていますが、そのうち学歴なんか関係なくなります。そのかわり、「釣りがうまい」というのがモテる男の条件に入ってくるんですね。休日に美味しい魚を釣ってくる男は尊敬されるようになるのです。

なんたって、アジやサバが牛肉より高くなってしまうんですから。クロマグロなんか、確実に幻の魚になってしまいます。皆さんも冗談でなく、釣りが単なる遊びでなくなる日に備えなければなりません。

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「それにはまずどうしたらいいか?」ということを考えてみると、まずは釣った魚が安全であることが大切です。近年、芦ノ湖ではワームを飲み込んだマスやバスが多く捕れるようになりましたが、これが重大問題になっているんですね。

漁協によると、なんと! 刺し網にかかるニジマスの半数以上からワームが出てきたと言うのです。ワームに染込んだ集魚剤が溶け出すので、ワームを飲み込んだ魚は肉に臭みがついて食用に適しません。このままではせっかく釣った魚がほとんど食べられなくなってしまうでしょう。

そこで、芦ノ湖漁協は2000年から軟質プラスティックワーム使用禁止という決定をしました。「1年の猶予期間を設けてはどうか」という意見もあったのですが、待ったなしの危機的状況を脱するにはこれしかないということで、可決されたそうです。

それではここで、会議の議長を務めたバイオレットのご主人、大庭(おおにわ)さんのコメントをお聞きください。

9/18日の釣り日誌では「マスのお腹から出てくるワームは白がほとんどだから、白系のワームだけ禁止してはどうか」という意見を書きましたが、マスのお腹から出てくるワームは必ずしも白ではないそうです。

時間が経つとマスの体内に色素が溶け出して、ワームが白くなってしまうんですって。だから、特定の色だけ禁止しても意味はありません。「ワームなしではお手上げ」という人がいるかもしれませんが、どうしてもワーム釣りをしたいという人は他の湖に行ってください。

芦ノ湖では食べても毒にならないワーム、根掛かりしても自然に分解されるワームが一般化するまでワーム釣り禁止が続くでしょう。

ワカサギ竿で釣ったバス

しかし、ワーム釣りをしなくても、深場のバスを釣る方法があるんです。ワカサギ釣りを邪魔しに来るやつをワカサギ仕掛けで釣ってしまうんですね。コイツは18メートルの湖底から5分がかりで引きずり出しました。

釣り比べてわかったのですが、ブラックバスはスモールマウスバスに比べて浮袋の調節機能が貧弱みたいです。一旦浮かせると途端に元気がなくなってしまいました。だから、最初の突っ込みさえかわせば、あとは時間の問題でワカサギ竿でも上がってしまうというわけ。

スモールなら10メートルの底から上げても元気にジャンプするし、一気に湖底まで戻ることができるので油断できませんけどね。

むしろ、10メートル以上の深場からブラックバスを釣り上げるなら、ワカサギ仕掛けで十分時間をかけた方がいいのではないでしょうか。強い竿で急激に上げると、バスが潜水病になってしまうからです。

このバスの場合、18メートルから上げたわけですから、かかっていた水圧は2.8 気圧。…ということは、水面に急激に上げると浮袋が約3倍に膨れ上がるということで、ひどい場合は死ぬかもしれません。(今回釣れたバスは時間をかけたのでヨロヨロしながらも湖底に戻っていきました)

芦ノ湖のワーム釣り禁止。これをきっかけに、バスマンの皆さんには、なるべくワームを使わずに釣る習慣をつけてほしいと思います。それから、ワームを使う場合でも、小さなハリにワームをチョン掛けするのはやめてもらいたい。要するに、なるべくワームを湖底に残さない努力をしてほしいわけです。

たくさん釣りたければ生きエサを使えばいいわけでしょ。その際、特にオススメなのはワカサギを釣りながらバスを狙う方法です。お土産のワカサギは美味しいし、ワカサギ竿でのやり取りはスリリングですからね。皆さんも是非、芦ノ湖でワカサギ釣りを楽しんでください。

それでは次ページでワカサギ釣りをお伝えしましょう。