アリリ? EARLY TIMES

学生時代の釣り

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2000年1月7日

「それにしても釣りって種類が多いね。誰でも何かしら気に入る釣りがあるんじゃないでしょうか? お金がほとんどかからない釣りから、海外遠征のカジキ釣りまで・・・日本人の釣り好きは、ブラジル人のサッカー好きと似たようなものですよ」

「海辺で育った人は・・・そうだなあ・・・最初・・・ハゼとか、フグ・・・それから、ベラあたりではじまるのかな? 僕の場合は新宿御苑に忍び込んで、ザリガニやクチボソを釣ったのが、はじまりでしたけどね」

「近くにお住まいの方はご存知でしょうけど・・・四谷に田中葬儀社という葬儀屋があるんです。大学病院がお得意さんで、けっこう儲かってるみたいですね」

「そこの息子“ひーくん”と同級生だったのですが、よく二人で新宿御苑に潜り込んで池で釣りをしました。何回も管理人に追いかけられましたよ」

「ザリガニなんてね・・・タコ糸にスルメを結んで釣るんですけど・・・バケツ一杯獲れたこともあります。皆さんはやったことあるかな? これが非常にスリリングなんですよ。ザリガニがスルメを挟むのを見ながら釣るんです」

「そぉーっと上げてこないと、ザリガニが途中でスルメを放しちゃうわけ。だから、気づかれないように、そぉーっと、そぉーっと・・・これがたまらんわけですね」

「それから、もっとスリリングだったのは・・・コイ釣りです。まずは給食のパンを残しておき・・・放課後・・・新宿御苑に潜入します。そして、パンの中に釣り針を仕込んで池に投げ込めば一丁上がり! 50センチオーバーもたくさんいるし、誰も釣らないからまったくスレてませんでした」

「ただ、引きを楽しむだけですよ。ハリは小さいし、当時の釣り糸は弱かったですから、大抵はバラシなんです。でも・・・これはドライフライと同じようなもので、目で見て楽しむ釣りなんですな・・・パクッと食いつくところが見えるので、興奮するわけです」

「大学に入ってからのことは、だいたい書きましたけど・・・今、パッと思い浮かんだシーンがあるんです。それはですね、Special 釣り日誌に出てくるアンコウと一緒に奥多摩へ渓流釣りに行ったときのことでした」

「アンコウというのは、口がデカイからついたあだ名ですが・・・彼の実家は奥多摩の日原川のほとりにあったんですよ。日原には鍾乳洞があるんですけど・・・ここが本当に東京なんだろうか?・・・と思うほどの山奥です」

「アンコウはカワサキのバイクを持っていたので、そのバイクに二人乗りして神奈川県の秦野市から3時間ぐらいかけて日原に行きました・・・恐かったですねぇ!・・・狭いワインディングロードを二人乗りにも関わらずリーンインで曲がっていくんですよ・・・今やれと言われても絶対やりたくない!」

「ヤツは高校の時に免許を取って、毎日バイクで学校に通っていたんです。だから、どこにどれぐらいのカーブがあるか熟知していたというわけ・・・いやぁー、それにしても、あの恐さはジェットコースターの比じゃありませんでした」

「で、釣りの方なんですが、これがまた、どえらい距離を歩いて多摩川の源流、大雲取という所まで行ったんです。朝、まだ暗いうちに出発して、大雲取まで3時間か4時間歩きましたね。そこまでは一切竿を出さず、ひたすら歩いたんです。」

「しかし、釣果の方は大したことありませんでした。下流の方がよっぽど釣れたでしょう。源流域は放流魚がいませんから、釣りきってしまえば終りなんです。日が高いうちは、ほとんど釣れなかったですね。アンコウがカディスピューパで25センチぐらいのを1匹、そして僕はドライで20センチぐらいのを最後に1匹釣っただけです」

「そろそろ日が傾いてきました。本当は暗くなるまでやりたいのですが、帰り道に4時間ぐらいかかるので、やむなく撤収・・・そして、その帰り道での出来事でした」

「何と!・・・無数の蛍が僕達の足元を照らしてくれたんです。青緑の光が無数に踏み跡を照らしてくれました・・・途中、危ない所がいくつもあるんですけど、本当に灯なしでも歩けるぐらいの明るさでした。これには感動しましたね」

「釣りってね・・・不思議なもんで、爆釣したときよりも、最後の最後に、たった1匹釣れたときの方が記憶に残るんです。それはなぜかと言うと・・・1匹を釣るために、あらゆることを考え・・・試し・・・しかも周りの状況を鋭く観察しているからなんです」

「だから、たくさん釣ること、大きいのを釣ることがすべてじゃないんですよ。みんな口ではわかったようなことを言うけどね・・・大人になってから釣りをはじめた人は、大抵わかっちゃいません・・・口だけです」

「僕なんか、今まで・・・相当辛い釣りを何度も経験してきましたけど・・・本当に辛かったのは1997年の年末の釣り日誌、ギンギラギンに絶え間なくの時だけです・・・しかも、そんなに辛い釣りでも、いい思い出として記憶に残っているんですよ」

「ああ、なんか随分昔の話をしちゃったけど、酔いが回ってきたから少し寝よう」

「今・・・12時半か・・・今が干潮だから、明け方はきっとイカが来るだろう」

「じゃあ、MD のスイッチを切って・・・ノドが乾くからお茶飲んで・・・タバコ一服して・・・」

アリリ? なんだよ! もう6時じゃないか・・・アーリータイムスが効き過ぎたらしい。

まだ完全に夜が明けてないから30分ぐらいはできるけど・・・1パイ釣れたからまあいいや。これでヨシとしよう。まだ当分地球は滅びないだろうから、またチャンスはある。渋滞しないうちに撤収じゃ!

アオリ260グラム

というわけで、釣果は260グラム1パイで終わりましたとさ。


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