まぼろしハンター

Part-2

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2000年5月2日、ゴールデンウィーク4日目

午前1時40分に糸魚川市の姫川港を後にした Tomy は、148号線を南下していった。今日は茅ケ崎から来る助っ人 Yos さんを迎えに行かなければならないのだ。どこまで迎えに行くかというと、地図の更埴インターのそばにある、JR 篠ノ井駅である。

信越マップ(Flash)

およそ2時間で別荘に着いた Tomy は、巨大ナマコのヌメリを取るためにナマコを塩漬けにしてから床についた。時刻は午前4時を少し回っていただろう。Yos さんを迎えに行く時刻は8時だから、7時まで眠ることができる。

1日は天気が良かったが、天気予報によると、今日からは天気が下り坂になるということだった。何と! 午後からはところによって雷雨やヒョウが降るらしい。1日早く着いていれば、姫川港と木崎湖の両方を楽しめたものを・・・

姫川港は不調だったが、その他にも行ってみたい場所は山ほどあったのだ。まず、糸魚川から新潟方面に少し行った能生(のう)漁港はベニズワイガニの水揚げ港として有名なので、カニ屋横丁には是非行ってみたい!

それから、糸魚川市を流れる姫川の支流、小滝川のヒスイ峽も、まぼろしハンターとしては、いつか行かねばならないだろう。そこには4メートルを越す謎の巨大魚が目撃された高浪の池があるという。

まったくもう、1日早く Yos さんが来てくれれば、それらを全部回ることができたのに。Yos さんは何と、ゴミ出しをするために2日の朝まで家を出られなかったのである。Yos さんは出張生活が続いていたので、2ヶ月近くゴミを溜め込んでいたのだ。みなさん! ゴミは溜め込まず、こまめに捨てましょう。そうしないとイザというときに家を出られなくなってしまうのです。

篠ノ井駅にて(Flash)

しかし、Yos さんは8時40分を回っても現われなかった。

『何か起こったに違いない!』

逆送事件発生(Flash)

上信越マップで言うと、篠ノ井駅は更埴インターのチョット北、そして Yos さんが逆走して着いた駅“とよの”は信州中野の方である。逆走すると次の駅は“北長野”だから、駅名で気づきそうなものだけどね。ブツブツ・・・

「せっかく朝の天気が良かったのに、このロスは痛すぎるぅー!」

「痛いー!」

「何かおごってもらわにゃ・・・」

「何がいいですか?」

「まぁ、クルクル寿司ぐらいで我慢してやるか、きのうも食べたんだけどね、ホタルイカが旬で、特に美味しかったんだよ」

「いいですねぇー!」

「姫川港で夜釣りをしてたらさ、夜中になってからゾロゾロ人が集まりはじめたんだ」

「えっ! 何がはじまったんですか?」

「それが、ホタルイカ獲りだったわけ。みんな発電機を持ってきて、投光器で海面を照らしはじめたんだよ」

「来たんですか? ホタルイカ・・・」

「結局、きのうの晩は来なかったみたいだけど、29日の晩は来たそうだ。スゴイ人だったよ。投光器が20ぐらい並んでてさ・・・それぞれ2人ずつぐらい人がいたから、4,50人は来てたね」

「網の目は細かいんですか?」

「うん、釣具屋の入口に“ホタルイカ用、替え玉網あります”という張り紙がしてあったよ」

「やってみたいですねぇー!」

「一晩でウン十キロ獲れることもあるんだって」

「ほぅー!」

「きのうクルクル寿司でホタルイカを食べたんだけどね、一皿110円だったからおかわりしちゃったよ」

「安いですねぇー! 僕もおととい、伊豆高原でクルクル寿司に入ったんですけどね。海女屋とかいうところ」

「あっ! あそこはチョット高級そうだから、高いでしょ」

「うーん、7皿で1,700円ぐらいだったから・・・一皿250円平均ぐらいですかね? チョット高いけど、美味しかったです」

「伊豆は特にキンメダイが美味しいんだよね」

「ええ、キンメダイも食べました。美味しかったです。あれ? 何かたくさん花が咲いてますね」

「ああ、あれは桃でしょ。白いのはリンゴだな。更埴市はリンゴや桃のほかに、アンズの里として有名なんだ。この辺は日本有数のアンズの産地なんだよ」

「僕、蜜アンズが好きなんですよ。毎月買って食べてます」

あんずの里、長野県・更埴市のホームページ

「今のところ天気はいいけどね、午後からは雷雨という予報なんだよ。まったくもう、ゴミなんか駅のゴミ箱にでも捨ててくればよかったのに」

「そんないけないこと・・・」

「1年に1度ぐらい、いいじゃん!」

「もう何ヶ月も溜まってたんですよ。ウチの辺はゴミの回収日が毎週火曜と金曜なんで、月曜に出張に出掛けると捨てられないんです」

「あーあ、いつまで天気がもつことやら・・・」


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