元祖はエライ

相模湾のシイラ釣り

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2000年7月14日

Tomy の場合、“元祖”と言うと真っ先に思い出すのは小僧寿司チェーン(sushi 花館)ですが、みなさんの場合はいかがでしょうか?

小僧寿司ができる以前は、寿司と言うと『高い』とか『月に一度の贅沢』というイメージがあったんです。ところが、小僧寿司チェーンの登場で、寿司は一気に大衆的な食べ物になり、全世界に広がっていきました。(小僧寿司は昭和47年に誕生)

食べ物なんて、どうせ喉元をすぎれば単なるエネルギー源になるのです。一流の寿司屋で大トロをひとつまみ食べるお金で、小僧寿司なら“一家団らん”のひとときが楽しめるんですからね。それに、排泄されるモノを比べてごらんなさい。その差はカリントウ1本とチキータ・バナナ4本ぐらいの大差ですぞ。

だから、何にしても元祖はエライと思うのです。贅沢品を大衆食に変えたり、それまで誰もやらなかったことを産業に変えてしまう元祖は特に。それが産業になって大企業になった例がたくさんあるじゃないですか。マクドナルドのハンバーガー、クロネコヤマトのスキー宅急便、クール宅急便など。

さて

なぜこのような書き出しになったかというと、Tomy が通っている平塚の庄治郎丸が“ルアー・シイラ船”の元祖だからです。シイラ乗合がはじまってから15年ぐらいになるでしょうか? 今でこそ夏の定番になってきましたが、ルアー・シイラ船の歴史はそんなに長くありません。

それ以前となると、海でルアーキャスティングのターゲットとなるのはシーバスぐらいでした。Tomy が東海大学釣魚部に入った頃、ちょうど平塚に Anglers Club RISE ができたのですが、その頃は RISE でもシーバスがメインターゲットだったのです。(シイラ釣りは RISE の開業後、しばらくしてから原田さんが庄治郎丸と協力してはじめました。)

RISE は Angler's Republic(PALMS や邪悪ベイトなどのルアーフィッシング用品を作っている会社)の社長、原田さんと PALMS のロッドをデザインしている島津さんがふたりではじめたお店ですが、みなさんはご存知ですか? 原田さんはルアー関係の雑誌に数多く登場しているので、ご存知の方も多いでしょう。

ふたりの関係を見ると、日本の社会が実にうまくできていることがわかります。まず、社長の原田さんは話や文章が上手で、商才のある人。一方、デザイナーの島津さんは、ルアーメイキングやロッドビルディングに向いた、どちらかというと無口な職人気質です。

原田さんだけでも、島津さんだけでも今ほどの成功はなかったでしょう。みんながみんな原田さんみたいな性格だったら、日本は今頃トンガ王国です。その日食べる魚を釣りに行って、釣れたら食べて、飲んで、歌って、踊って、寝る。毎日その繰り返しで進歩がなかったかもしれません。

日本人の優れたところは“捕る・獲る・採る”などの技術に長けているだけでなく、“作る・創る・造る”という分野にも優れた人材がいることです。そして、両方の人間が程良く混じっているから、チームワークもいいのだと思います。

魚を効率良く獲るためには、経験やカンも重要ですが、それ以上に道具が重要ですよね。イカ釣りの方法、カツオの一本釣り、マグロのはえ縄漁法など、日本人が編み出した素晴らしい漁法がいっぱいあるでしょ。

それから捕鯨にしたってそうです。キャッチャーボートと大型母船の船団を組んで大規模にやったのは日本が最初でしょう。日本人ってスゴイんですよ。“元祖”をこれだけ数多く持つ優れた国民は他にないかもしれません。その割に日本人が外国人から尊敬されないのは残念なことですが。

特に“魚を釣る”ことに関して、日本は超先進国です。 フライロッドを“バシューン!”と音がするぐらい振れる人は少ないけれども、そのかわりキャスティングの技術水準が高いのはカナダ人ガイドも認めるところです。関係ないけどバレーボールだって、パワーがない分は技術とチームワークで補ってきたじゃないですか。

アメリカ人の中には日本人を“真似ばかりする小汚い人間”と思っているヤツがいると思いますが、そんなのはとんでもない誤解です。Bクイック、時間差攻撃、ひとり時間差、移動攻撃・・・それから・・・稲妻落としやエックス攻撃などを編み出したのは全部日本人でしょーが!

これらの技に日本が特許権を主張したらどーなるの? そんなことをしたらバレーボール自体が滅びますよね。日本だけが勝ったら、他の国は面白くないから、バレーボールをやらなくなってしまうに違いありません。(ソニーがベータで味わった悲劇のように)

ブリティッシュ・テレコムでしたっけ? 今更のように「ハイパー・リンクの考え方はうちが特許を持っている」と騒いでるみたいですが、そんなのは話になりません。考えただけじゃダメなんです。その後、技術の進歩に力を注ぐこともしないで、元祖を主張するのは虫が良すぎます。元祖はその道のパイオニアとして、常に先頭に立っていなければならんのです。


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