信越オイニー祭

糸魚川のホタルイカ捕り

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2002年4月13日

今週の toto は8勝5敗だった。90分で決まらないゲームが6試合もあるんだもん。こんなのまともに考えても、当たるわけがない。これから迷ったときはゼロでもマークしておこう。さて、toto は、また次回ということで、早速ホタルイカ捕りのことを話そう。

まず、我々湘南ロケッツが姫川港に着いたのは午前1時過ぎだった。

『あらららら、なんだこの賑わいは!』

『時すでに遅し?』

港内はグルリと一周車の列で、岸壁は人だらけ。しかも、ホタルイカは煌々とたかれたライトの下でも1匹か2匹ずつしか、すくえないというありさま。

『これじゃ、今から発電機を用意しても、朝までに2, 3キロがいいところだな』

ちょっとガッカリ。しかし、我々は諦めずに二手に分かれ、boss さんに教えてもらったポイントを偵察することにした。

姫川港

姫川港の地図

去年、漁次君が大暴れした港外の浜に出てみると、100メートル四方のコの字型をした入り江に、ざっと200人ほどがひしめいていた。発電機が20数台唸りを上げ、この一角だけは新月にもかかわらず、祭りの夜店状態だ。

金魚釣り、お面に輪投げに、射的場。タコ焼き、綿菓子、ソース焼きそば・・・。ここだけ見ると、糸魚川のホタルイカ捕りも、平塚の七夕並みの賑わいである。

しばらくして、アタシは、夜店状態から少し離れたテトラポッドの先端で物凄い群を発見した。まるで、大釜でホタルイカをボイルしているような対流が見られたのである。海底から沸き上がるホタルイカの動き、次から次へと沸き上がり、おそらく数千匹は下らない。

「なんと!」ここでは、ひとすくいで1キロ以上捕れている。1杯たった5グラムほどのホタルイカだから、ひと網で2百から3百ぐらい、すくっていただろう。アタシは、ここで遠慮しいしい先客のおこぼれをすくいはじめた。と言っても、一網100杯は軽く入っているから笑いが止まらない。これなら朝までに大型クーラーも満タン間違いナシだ。

しかし、この場所はテトラポッドを10個ばかり渡っていかなければならず、持参した大型クーラーを持ち込むことはできなかった。そこで、アオキーQさんにコンビニ袋で獲物をピストン輸送してもらうことになったのだが・・・

テトラ先端からクーラーの往復には、2分近くかかるので、あまりにも効率が悪い。しかも、先客のクーラーは満タン間近で、作業終了まで、それほど時間は残されていなかった。光がなくなれば、お客さん達は、すぐに散ってしまうだろう。ここは、発電機を装備した“どん欲一家”に援軍を頼むしかない。

「大神さん? こっちに来なよ、ひとすくいで2キロぐらい捕れてるぞ」

「こっちもまあまあの場所を見つけたところなんですが・・・」

「こっちに来れば、クーラー満タンなんかスグだよ! 早く来い!」(なかば命令口調)

このとき大神さんは『ひとすくいで2キロとは大げさな!』と思っていたらしい。しかし・・・夢は現実となったのである。

どん欲一家が到着した頃、先客は150キロほどホタルイカを捕って、帰り支度をはじめていた。このままポイントを引き継げれば・・・

先客がライトを片づけはじめたので、急がねばならない。まず、どん欲オヤジが発電機を回し、その間にアタシとカーズがテトラポッドの先端まで延長コードを敷設する。

「青木さん、照明係をヨロシク頼む」

アタシの一声で、アオキーQさんが照明係に決まった。そして、いよいよ真打ち登場! どん欲一家の大将、漁次君が、ひょいひょいテトラポッドを渡って前線にたどり着いたのだ。

「じゃあ漁次君、あとは任せたぞ」

「うんっ!」

この人員配置は我ながら絶妙だった。この子はオヤジに輪をかけて“どん欲”なのである。もう、ちぎっては投げ、ちぎっては投げで、獅子奮迅の大活躍。漁師が見ていたら、「この子を養子に迎えたい」と言い出したに違いない。

我々大人は、漁次君のサポート役に徹するだけでいいのだ。漁次君がすくい、兄ちゃんの彰吾君が玉アミをひっくり返す。捕れたホタルイカは、どん欲オヤジが構えるバケツへ“ドバドバドバー”。そのバケツをカーズがテトラ渡りの難所まで運び、さらに、難所で待ち受ける アタシが渡された獲物をクーラーに移し替えた。

もう、アッと言う間にひとつ目の50リットルクーラーが満タン。2つ目の50リットルクーラーも1時間後には満タンになった。なんという効率の良さだろう。これはまさしく Just-in-time transportation と言うにふさわしい流れ作業だった。つまり、誰かひとりでも欠ければ、輸送に待ち時間が生じてしまう“ギリギリのタイミング”を実現したのである。

正味1時間半で50リットルクーラー2杯と20リットルクーラー1杯が満タン。大トリは、照明係を文句ひとつ言わずにやってくれたアオキーQさんのひとすくいで締めくくり、我々は大満足で姫川港をあとにした。

『もう、木崎湖なんてどうでもいい』

このときは、正直そう思っていた。予約していなかったら、当然木崎湖での釣りは、お流れになっただろう。おそらく温泉につかって「ハイ、さようなら」だったに違いない。

こんなこと、2度とないかもしれないぞ。次回、同じポイントに入れたとしても、我々はホタルイカが“湧く”まで、捕りたい気持ちを抑えきれないだろう。ビギナーズラックを実力と勘違いしてはいけない。今回の成功は、95%まで先行者のおかげだったのだ。要するに、湘南ロケッツは、たまたまハイエナ作戦に成功しただけなんだよ。

まあ、発電機だけは持参していたので、ハゲタカよりマシだったかもしれないけどね。

(`⊥´)ゞ