泳がせマン

たたりじゃー!

午前9時、ついにチャンスがきた! べらんめぇオヤジの息子は、ここぞとばかりにイワシをワラワラと撒き続ける。Tomy がエサ付けに手間取っていると、ドカンという音がしてカツオが空から降ってきた。

「いいぞー、その調子だぁー!」

オヤジもようやく元気になった。こうしちゃいられない、早くエサを投入しなければ! Tomy はイワシにハリを刺すと、ラインを5メートルほど引き出して散水の向こう側にイワシを放り込んだ。

うまい具合にイワシは下へ潜っていく。“クンクンクン”と小突くようなアタリのあと、スゥーッとラインが出ていった。

「キタかー? アワセんなよ、10秒待つんだ。10秒!」

十分持って行かせたあと、フリーにしてあったスプールに指で圧力をかけて止める。ハンドルを巻いてみると、竿がグーンとしなった。

「よっしゃー、ヒット!」

「いいぞー、あわてんな!」

およそ1分のファイトで上がってきたのは、2キロ級の本メジだった。

「いいメジだー、いいぞいいぞ、次行け次!」

もう、周りの様子なんか見てる余裕はない。オカラさんや腹さんが何やってるか知る由もない。Tomy はメジをデッキに転がすと、すぐさま次のイワシをハリに刺して投入した。

すると、またもやラインがスゥーッと出ていき、10秒チャージ。スプールを止めるとロッドが引き込まれた。

「よっしゃー!」

上がってきたのは1.5キロ級のカツオだった。しかし! こいつはハリ掛かりが浅かったらしく、抜き上げようとしたら水面でバレてしまった。

「気にすんな、気にすんな、まだ行ける、まだ行けるー!」

でも、次はなかった。

ナブラは沈み、鳥もいなくなった。

つかの間の興奮は、幻となり、相模湾に静寂の時が訪れた。

ここでの釣果は、ラクロア氏がハタキでカツオ3本。見るに見かねてハタキ竿を握ったべらんめぇオヤジがメジ1本、カツオ1本、Tomy がメジ1本、他にカツオ4本ほどであった。

「腹さん、どうだった?」

「1回アタリはあったんですが・・・」

「オカラさんは?」

「フライなんかじゃ食わねーおー」

「タロジローさんは?」

「次、頑張ります!」

しかし、そのあとは鳥もいなくなり、あてもなく彷徨う青木丸であった。Tomy は後ろのデッキでオカラさんが持ってきたトロ箱のフタを床に敷いてグーグーグー。

11時頃に起き出すと、再び戦闘再開である。

でも、食わない。どんなに頑張っても・・・。

「やっぱり、猫のたたりかな?」(Jイケダ)

「もしかして、荒崎の信号を過ぎた辺りで轢かれてた猫のこと?」(Tomy)

「見ましたか?」

実は、長井港に到着する寸前で FULL さんが猫を轢いたらしいのだ。以下は FULL さんの弁である。

参加者皆さんへのお詫び

現地到着直前、猫が前輪と後輪の間に飛び込んできて、ブリバリー号の馬鹿マフラーに激突して死んでしまった。あまり釣れなかったのは、猫の祟りかもしれない。皆さんすみません。

荒崎にて

回想シーン

というわけで、今回はあまり釣れなかったが、生きてる限り次がある。青木丸のオバチャンが作ったおでんをつつきながらビールで乾杯しよう。

あっ、そうだ。猫ちゃん、アーメンね。

【泳がせマン】終わり