そして猫もいなくなった

東伊豆のエギング

2002年12月3日

昼食後、RISE の野呂店長と下田を目指した。今日は稲生沢川でメッキをやって、そのあとアオリイカを釣る作戦である。天気は晴れのち曇り、夕方からやや下り坂。気温は温かく、冬用のジャケットを着込むと汗ばむほどだった。

火曜ということで道は空いていたが、あちこちで工事に引っかかり、思ったより時間がかかる。下田に着いたのは午後4時頃で、ちょうど満潮時だった。しばらく河口近くをチェックしてみたが、メッキのチェイスはない。潮に乗って、かなり上流までのぼっているのだろう。

「いないですね。アオリイカにしましょう」(野呂)

4時半頃、福浦到着。ちょっと前に釣れた気配があるが、数投するうちに餌釣り師達がバタバタと帰り支度をはじめた。「もう、だいぶアタリがない」という話し声を聞いたので、少なくとも30分以上アタリがないのだろう。

『満潮までだったか・・・』

「なんか、猫が減ってませんか?」(野呂)

「そう言えばそうだね。釣り人が餌をくれないのかな?」

福浦をあきらめて犬走る。だが、ここも人気がない。北東の風に乗ってエギの飛距離が伸びるが、まったく手応えなし。藻さえ引っかからないのだ。

『エギングが流行りすぎて藻さえ生えなくなったのか?』

「餌釣り師がいないということは、最近釣れてないってことでしょう」(野呂)

「そう言えば、スミ跡もほとんどないね」

恐ろしいことである。来れば必ず釣れた犬走島堤防も今はグラウンドゼロだ。インターネットはコワイ。コワスギル! 安全に美味しい獲物を手に入れる手段をネットに載せた結果がこれだ。アタシが書いた犬走島堤防こそ、人々が求めていたポイントだったのだろう。ここはあまりにも多くの人に知られすぎた。「アオリイカが安全確実に釣れる場所」として。

アタシは2000年10月までしか犬走島堤防のことを書いてない。つまり、イイ時代のことしか書いてないってことだ。(時代と言うにはあまりに短かすぎるが)

あの頃は、ほぼ毎回ここに来れば釣れたから、アタシの文章を見て、犬走島堤防に「幻想」を抱いた人が多かったのだろう。その後のエギングブームで、「伊豆、アオリイカ、堤防、エギング」が検索された回数は恐ろしい数である。2年間で海底の藻がキレイサッパリ刈り取られたとしても不思議じゃない。

でも、アタシが悪者になって済まされる問題でもないのだ。みんな不況がイケナイ。不況が釣り人の数を減らし、釣りのバリエーションにさえ影響を与えている。最近、たまに上州屋へ行くと、エギとサビキぐらいしか売れてないのがわかる。バス釣りのコーナーに子供の姿は全くないし、20代前半の人も少なくなった。つまり、ビギナーが極端に少ないのである。

まあ、これは当然の成り行きだろう。今、世の中で一番金を持っているのは50才から60才ぐらいで、リストラされると再就職が難しい人達だ。だから、金を持っていても、将来が不安で使おうとしない。しかも、多くの会社では人減らしが行われ、残った人達は「残業、残業、また残業」という状態だ。特に20代は相当コキ使われているだろう。

その証拠に、今、釣り宿に来る客は30代半ばから40代前半が中心・・・というより大半である。50代、60代は以前に比べるとガタガタに減ってしまった。でも、70代の人達は十分な年金をもらっているから、あまり不況に影響されていないらしい。

さらに驚いたことに、去年までは土曜の方が混んでいたのが、今年は日曜の方が混んでいる。ということは・・・、土曜は「サラリーマンが死ぬほど疲れている日」ということかもしれない。1日休んでからでないと、釣りに行く気にもならないのだろうか?

あと、2年ぐらいこの状態が続くと釣り業界は相当・・・。今回、久々に東伊豆を回ってきたが、観光客も・・・・。忘年会シーズンだというのに、熱海も伊東も人影が・・・。コンビニも3カ所ほど潰れていた。

ところがどっこい、小さい堤防でも、イカ釣り師だけはいる。平日でさえこれだから、金曜の晩から釣りに出掛けたら管理釣り場のような状態だろう。移動に時間を取られる上に、どこへ行っても人・人・人だ。無料だけに混み方も半端じゃない。

今後、関東のエギングブームは、エギで釣れるイカの減少とともに下火になると思う。ちょっとやそっとでアオリイカは絶滅しないが、必ずエギにはスレる。これからは、少々危険なポイントや、駐車場から離れたポイントを開拓していかないと満足のいく釣果が望めなくなるだろう。

「たかがエギングに、あなたは命を賭けられますか?」

いや、ホント。近い将来、エギングで死人が出てもおかしくない。釣り場が混めば必ずチャレンジャーが現れる。滑りやすいテトラや、危険な磯場に軽装のアオリマンが進出すれば、当然事故が起こるだろう。

ちょっとサブイ話になってしまったが、これから我々はどうすればいいかというと・・・

  1. 会員制サイト以外では安全なポイントしか紹介しない。(誰が読んでるか把握してないとマズイ)経験のないアオリマンは海をなめてるから、磯場や足場の悪いテトラポッドを紹介しないように気を付けよう。
  2. テトラ渡りの障害になる用具については、その危険性を説く。
  3. 「濡れたテトラには近づくな」と教える。
  4. 竿やリールのことばかりじゃなく、万が一を想定した救命具を積極的に推奨していく。(竿やリールは二の次で、まず安全対策から)

・・・というわけで、今回は丸坊主であった。(`⊥´)ゞ