漁魔が行く-06(野猿編)

あしずり港の朝

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1999年12月3日

翌3日朝は寒さで目が覚めた。と言うより、それ以上寝ていられなかった。南国とは言っても、やはり12月である。車内の温度は7度まで下がっていた。

これまでの釣果は漁魔がモイカ4ハイ。合計、約1.4 キログラム。Yos さんは手のひらサイズのエバ1匹と150グラムほどの手乗りモイカ1パイだ。高知まではるばるやって来た割に、結果はほとんど最悪に近い。

『こんなもんで終わってたまるか!』

2人は4時半頃、モイカ釣りを再開した。幸い風は前夜より弱まり、釣れそうな雰囲気になっている。

『よし、夜明けまでの2時間で大リーグエギ2号を完成させるぞ!』

しかし、そう思ったのもつかの間・・・

「ラインがグシャグシャ。モーイカんっす」

Yos さんのリールがライントラブルで使い物にならなくなり、二刀流用に用意した11ftのシーバスロッドを貸してやることになった。

「Yos さん、パ・リーグエギは調子悪かねぇ」

「ロックハイパーはヨレに弱いみたいです」

パ・リーグエギの敗因分析

メジャーに上がるために

5時頃、漁魔にヒット! 手ごたえは500グラム級だ。

しかし、これもまた高い堤防が障害になって足元でバラしてしまった。のちほど紹介するが、足場の高い堤防ではイカを引っ掛けて取り込むためのカギ針(モンガリ)が必要だろう。

イカは強い光を当てるとスミを吐いて逃げようとするので、できれば足元まで引き寄せても強いライトは当てないほうが良い。玉網やモンガリにケミホタルを付けてイカが暴れないように取り込むのがベストだ。

「もうイカん! 夜が明けてしもぅた」

イカ釣りはそろそろ終了だ。漁魔はロッドを片付けるとカップヌードルを食べるためにお湯を沸かしはじめた。

すると、夜明けとともに数人の釣り人が堤防先端に集まってきた。3号ぐらいの磯竿にリールはステラ10000が標準装備である。60を過ぎたオジサン達だが、なかなかのタックルを使っている。

そのうち堤防の先端には、ピトンを打ち込んでイシダイ竿を2本並べる人まで現われた。こちらの人は?・・・と見てみると・・・おお、リールがオシアジガーじゃないか。

『いったい何がはじまるじゃ?』

その答えは、カゴ釣りの方がシマアジ狙い。イシダイ竿の方が、イシダイ狙いだということがわかった。そこで、Yosさんはジグを投げはじめたのだが・・・

Yosさんエソをゲット!

結果はエソ1匹を追加したのみである。

(`⊥´)ゞ

しかし、オジサン達は40センチ級のシマアジ、イサキ、サバなどを次々に堤防へ放り上げはじめた。ウキがドスンと沈み、ドラグが逆転する。カゴ釣りも、これなら楽しいだろう。耳を澄ませてオジサン達の会話を聞いてみると・・・

「きょうは遅いやないか」

「きょうは来た甲斐があったね」

…などと口々に言っているのが聞こえてくる。おそらくほとんど毎日来ているのだろう。この堤防はご隠居さん達の社交場であり、仕事場でもあるわけだ。

自分で食べる刺し身用の魚を釣りに来るのだが、釣れればみんな高級魚だから羨ましい。サバだって、45センチを越える丸々と太ったサバだ。きっと東京では2,000円以上するだろう。

「あのサバはすごいですね。あんなのスーパーの魚屋じゃ売ってませんよ」

「買ったら高いろう。イサキも40センチばああれば高いぜよ」

「みんな高級魚ですよ」

「こ堤防はイシダイやクエまで釣れるし、車を降りて、すぐ釣りができる。土佐清水人が羨ましいぜよ」

「僕も今度来るときは3号の磯竿を持ってこにゃー!」

「おっ?! また来る気になったか?」

「もちろんです!」

すると、ここで一匹の猫が登場した。