漁魔が行く-07(GT編)

エバっちゃうもんね

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1999年12月4日

信香丸は、およそ10分で漁場に到着した。この辺には、たくさんの根や人工漁礁が点在しているらしい。

「イカはまだ早いきに、ネイリ行こうか」

「そうですね。じゃあ、ジグでやってみますか?」

すると、第1投目で MK さんにネイリがヒット! 続いてニーハオ船長にも同じくネイリ。もう、いきなり釣れはじめたので漁魔は慌ててしまった。急いでジグを投入、最初はアタリがなかったが、3投目ぐらいに当たった。しかし、惜しくもハリが外れて最初のポイントは没。お次のポイントへ。

そして、2つ目のポイントの第1投。MK さんにまたヒット! 竿がグングンしなっている。水深25メートルから上がってきたのは大きなエバだった。

「なんやこれは? おっ! ゴールデン・レトリバーやないか!」

「す・すげぇ! これはもしかしてGT?」

それを見て、漁魔も急いでシーフラワー60グラムを投入した。

『ん? なんか落とし込みで当たったみたい・・・あっ!

着底と同時にジグが引ったくられ、ドラグがジー! その直後にリーダーは切断された。どうやら根に擦ったらしい。幸い30ポンドリーダーは10メートルほど付けていたので、急いで次のジグを結び直す。

「よーし、ヒットー!」

漁魔にもエバがきた。その後はもう入れ食い。たちまち船上は銀ピカの魚で埋まっていく。大きさは42から45センチぐらいだ。

エバ、こじゃんと

「イカはいかんがー?」

「こりゃあ面白いー、やめられんー!」

「おまんらあ、イカ行くがやったろう」

「まだGTやるぅー!」

そして、漁魔に大物がヒットした。それまでは余裕だったジギングロッドが“ミシミシッ”と音をたてる。

「こりゃ、ちょっとデカイよぉー!」

エバ、この日最大

オニヒラアジ(船長談:ゴールデン・レトリバー)51cm

何と! 51センチ。この日最大のエバだった。これぐらいになると、かなりグングン引く。面白いぞぉー!

『そうだ、ぎょぎょ丸さんに電話してみよう』

「もしもし、漁魔ですが、

 ・・・・・・もう、こじゃんと。ゴールデン・レトリバーが爆釣!

 ・・・・・・えっ? まだそっちは出てない

 ・・・・・・もう大満足!

 ・・・・・・えっ? モイカ? そんな場合じゃないっ!

 ・・・・・・忙しいきに、それじゃ、頑張って!」

そして、なおも爆釣は夕暮れまで続いた。

「どうしてネイリが釣れんがー! ネイリを狙っちゅうに、エバしか釣れん!」

もう、メチャクチャ。贅沢なこと言いながら顔は笑ってる。ついに夕暮れ時にはこんな状態になった。エバ42〜51を18匹。ネイリが2本。最後に MK さんが執念でモイカ1パイ。

信香丸バンザイ

いや、それにしても凄かった。本命のネイリは不発に終わったが、外道のエバがすべての憂さを振り払ってくれたのだ。ここまで良いところのなかった漁魔だったが、4日目にして、とうとうホームランをカッ飛ばしたのである。

「もし釣れなんだら、堤防で一晩付き合う気ぃやったけんど、もうエイね」

「いやぁー、満足満足。きょうはもう止めときます」

MK さんは手結の防波堤でモイカ釣りをする準備もしていたのだが、この日の釣りは、これで終了することになった。

「ほいたら、ぼくの実家が広いき、実家の方へご案内しましょう」

「ホントですか? かたじけない」

その後、2人は船長にショウガを少し分けてもらい、土佐山田町にある MK さんの実家に向かった。その日はちょうど MK さんのお父さんもマダイ釣りに出掛けたということで、食卓は新鮮な刺し身で溢れんばかりだ。

早速ニーハオ船長にもらったショウガを千切りにして刺し身に添えてみると・・・・・・・・

「うま〜い!」 Ψ(`⊥´)Ψ

ワサビも良いが、皮をむかずに千切りにしたショウガも、これまたイケル。ショウガは普通、下ろし金で下ろすが、千切りの方がシャキッとした歯ごたえと香りが楽しめるようだ。皆さんも是非、やってみてほしい。

『こっちはサイコーだけど、Yos さん達はどうしているだろう?』

漁魔は、ぎょぎょ丸さんに電話してみることにした。

「今、MK さん家でご馳走になっているところだけど、どうでしたか?

 ・・・・・・・・・ああそう? みんな釣れたぁ。そりゃ良かった。

 ・・・・・・・・・えっ?! 5トンばあ引っぱっちょる?

 ・・・・・・・・・そりゃ、どえらい大漁じゃね。

 ・・・・・・・・・なんか笑い声が聞こえるけんど」

ヒラマサ釣りの仕掛け

ヒラマサ釣りの仕掛け

ところで、上のバカデカイ仕掛けは何かというと、MK さんのお父さんが使っているヒラマサ釣りの仕掛けである。室戸沖でヒラマサを狙うときは、こんな仕掛けを使うそうだ。

ウキなんかビール瓶の倍ほどもある。そしてオモリは何と200号。小さなカツオぐらいではアタリすらわからないらしい。この仕掛けを5メートルほどの竿であおってコマセを振るというのだから、ちょっと関東では考えられない釣りだね。

いやぁー、それにしても、MK さん、そして MK さんのご家族には本当にお世話になりました。心から感謝いたしまする。

そしてついに最終日