漁魔が行く-09(ウミガメ編)

漁魔の超進化論

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2000年3月17日

オサガメの能力には、みなさんも驚いただろう。カメには“ノロマ”というイメージがあるけれども、すべてのカメがノロマじゃないことが、これでわかってもらえたと思う。オサガメはカールルイスより凄いアスリートなんだ。

まあ、潜水能力1,200メートルというのは、ちょっと信じがたいが、少なくとも水圧計をブッ壊すほど深く潜れるようだ。しかも、カメは陸に上がることもできるわけだから、クジラより、よっぽど進んだ生物だと言える。

漁魔 φ(`⊥´)

1,200メートルと言うと・・・これはマッコウクジラの1,000メートルをもしのぐ数字である。マッコウクジラは潜水が得意だが、そのマッコウクジラの潜航速度をしても分速は70メートルぐらい。だから1,000メートルまで潜るだけでも15分ほどかかるのだ。(マッコウクジラの潜水可能時間は約90分、他のクジラは30〜40分)

そのかわり、浮上はもっとお得意。脳油を血液で温めて浮力を得るので、浮上速度は分速140メートルぐらいになる。なぜ1,000メートルまで潜らなければならないかと言うと、それは大好物のダイオウイカを食べるためだそうだ。

マッコウクジラの脳油は29度以下で固化し、それ以上だと液化する。昔はアメリカの船も盛んにマッコウクジラを捕っていたのだが、それは肉を食べるためではなく、脳油を採取するためだった。

ジョン万次郎を助けた捕鯨船もマッコウクジラを捕って、脳油だけアメリカに持ち帰っていたらしい。

ここで、女優の秋吉久美子が子供を産んだとき「卵で産めたら良かったのに・・・」と産みの苦しみを表現したことを思い出した。「卵で産んだ方が楽!」・・・確かにそうだよね。この発言、なかなかスルドイ生物学の真理に迫る発言ではないかと思う。

つまり、人間という大敵さえいなければ、地球はカメの王国になっていたかもしれないんだよ。だって、卵で子孫を増やせるなら、その方がよっぽど効率がいいだろう。哺乳類より爬虫類のカメが下等だとみなさんは思い込んでいるようだが、そんなのは人間の思い込みに過ぎないのさ。

カメの祖先プロガノケリスは、およそ2億数千年前の地層から発見されている。何と、カメの祖先は恐竜よりも早く地球に存在していたのだ。しかし、その形は現在のカメとほとんど変わらない。歯が生えているか、いないかの違いぐらいしかないのである。

人間はカメのことを“生きた化石”と呼ぶけれども、これはとんでもない誤解だ。何事も人間中心にしか物を考えられない人間が「人間を頂点とする進化論」をねつ造したのさ。

よく考えてごらん。2億数千年もの間、ほとんど形を変えずに生きてこられるということは、カメの形が地球での生活に最も適しているということの証明だろう。巨大いん石の衝突、そして氷河期、そういった危機を幾度も乗り越えられたということは、カメが最も進化した生物だったからにほかならない。

違うかね? 要するに、「ダーウィンの進化論」は人間の御都合主義の産物なんだ。それを今から漁魔が証明して見せよう。

ダーウィンが進化論を考えた場所は、ガラパゴス諸島だった。その「ガラパゴス」の意味をみなさんは知らんだろう。「ガラパゴス」とはスペイン語で“カメの島”という意味なんだ。

ガラパゴス諸島は、1535年、スペイン人のトマス・デ・ベルランが発見したと言われているのだが、そのとき、あまりにもゾウガメがたくさんいたことから「ガラパゴス」と名付けられたらしい。

人間が来る前のガラパゴスがそうだったように、人間さえいなければ、地球はカメの王国になっていただろう。要するに人間は、カメの王国を侵略したエイリアンだったわけだ。

ある日ダーウィンは、ガラパゴスでそのことに気付いてしまった。しかし、敢えて間違った進化論を唱えざるを得なかったのだ。本当のことを言えば異端者扱いされることは目に見えていたからね。

ダーウィンは悩んだ。「種の起源」を出版するべきか、しないべきか・・・何とダーウィンは進化論を14年も温めていたんだよ。ガラパゴス島で推論を立ててから14年間、ひたすら証拠集めをしていたんだ。

ところが、ウォーレスという人が、ダーウィンの進化論に近いことを、たったの二晩で書き上げてしまったから、さあ大変。ダーウィンは慌てて「種の起源」を出版することになった。まだ絶対の自信はなかったが、14年の研究を無駄にしないためには仕方なかったんだな。

ダーウィンはウォーレスと違って裕福だったので、結論を急ぐ必要はサラサラなかったんだ。だから、もしウォーレスの論文がなければ、20年ぐらい研究を温めていたかもしれない。

漁魔 φ(`⊥´)

ウォーレス線という言葉が今でも残っている。高校で習ったよね。ウォーレス線はカリマンタン島とスラウェシ島、バリ島とロンボク島の間に引かれている生物の二つの型の境界線。

もう一度よく考えてみよう。「爬虫類が鳥類に分化した」というのはわかる。けれども、爬虫類がどうやって哺乳類に進化したのかを明確に説明できる学者はいないだろう。

それは当然なんだ。そんな学者はいるはずがない。いたとしても、それはインチキ学者だから信用しちゃいけないぞ。なぜなら、哺乳類は恐竜絶滅後に何らかの方法で地球外から侵入してきたエイリアンだったのだ。

人間という天敵が存在しなかった時代に、なぜカメがお腹の中で卵を孵化させなければならなくなるんだい? そんな必要がどこにあると言うんだ? オカシイと思わないか?

カメにとって人間以外は大した敵じゃない。鳥が多少の子ガメを食べたとしても、大半は海に戻れる。それに、魚だってある程度大きくなったカメを食べることはできないんだ。

結論

ガリレオが地動説を唱えたとき、人々はガリレオをキチガイ呼ばわりした。しかし、今では天動説こそ物笑いのタネである。漁魔の新説、“超進化論”を笑いたければ笑うがいい。いや、ココで笑ってもらわなきゃ困るのだ。笑わせるために書いているんだから。変に納得しているそこの君! ユーモアがわかってないね。

参考文献

日本動物大百科-5;特に亀崎直樹氏の記述分(平凡社)
動物物知り辞典;吉村卓三(日本文芸社)
動物の不思議なるほど事典;クロックワーク編著(ナツメ社)
Caretta のパンフレット
Caretta の展示品
ギネスブック '97