漁魔が行く-09(ウミガメ編)

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2000年3月17日

前ページで書いた“超進化論”は、あくまでもお笑い的な仮説だ。だから、真剣に矛盾を追及しようなんて事は考えないでほしい。哺乳類がどこから来たのかを説明できなければ、ただの笑い話さ。

しかし、カメを下等な動物だと言えないことだけはわかってほしい。哺乳類さえいなければ、もっともっと繁栄していたはずなんだ。防御力はあらゆる生物の中で最高レベル。その上、水陸両用の呼吸器官を持っていて、長生きすることもできる。これは人間をはるかに越えた能力なんだ。

例えばゾウガメの場合、寒いときは無駄に動き回らない。じっとしているから、冬眠中は1分間に1回、もしくは2分間に1回しか心臓を動かさなくて済む。しかも、その間はエサを摂る必要がないから、資源の枯渇も防げる。

「動物の不思議な話」によると、動物の寿命は心臓の鼓動回数に支配されているらしい。一生のうちの鼓動回数は平均8億回で、鼓動が遅い動物の方が長生きするというのだ。

おそらく身近にいる犬、猫、ネズミ、カメ、ウサギなどを使って調べたのだ思うが、その中にカメが入っていたことだけは確かである。カメは誰でも知っている長生きな動物だからね。

漁魔 φ(`⊥´)

ミツユビハコガメ

北アメリカ中東部に生息するミツユビハコガメは、世界の動物が全滅寸前まで追い込まれても生き残れるカメだと言われている。その理由は、人間という世界一の天敵がこのカメを食べないからだ。

このカメは毒キノコを食べても完全に消化させる機能を持っている。しかも、その毒は消化後も体内に残っているので、人間がこのカメを食べると中毒になったり、死んでしまう。

その上、ミツユビハコガメの防御力は最高だ。甲羅にはしっかりした蝶番がついていて、危険を感じると手足首を完全に甲羅の中に格納したあと、きしむような機械音を出しながらフタを閉じて、文字通りひとつの箱になってしまう。

アルダブラゾウガメ

モーリシャス島で飼われていたオスのアルダブラゾウガメは1766年から輸送中の事故で死んだ1919年まで、152年間飼育されていたという記録が残っている。

飼われはじめたときの年齢は、おそらく30歳ぐらいだろうと推定され、しかも老衰で死んだのではないことから、アルダブラゾウガメの寿命は200年前後だろうと推測されている。

このような能力があったからこそ、氷河期や巨大いん石の衝突にも耐えられたんじゃないか? 激烈な気象変化が長期化した場合、真っ先に死ぬのは恒温動物の哺乳類と鳥類だろう。そして、最も長期間耐えられるのがカメだと思うんだ。

人間は確かに食物連鎖の頂点に立っている。でも、そうだからと言って最も優れた動物だとは言い切れない。カメをもっと尊敬しなくちゃいけないぞ。

参考文献

動物の不思議な話;杉浦宏(日本実業出版)
動物ことわざ事典;佐草一優(ビジネス社)