芦ノ湖特別解禁

1996年12月19日

解禁15分前。エンジンに火が入ると戦闘開始まではあとわずか。エンジン音に刺激されてアドレナリンが脳天を駆け巡る。そして、3分前。モーターボートだけは衝突を避けるために、沖のブイまで前進するよう指示が出される。

いよいよ花火と同時にゴールドラッシュが始まるのだ。Tomyの目は星飛雄馬のようにメラメラと燃え、完全に競艇選手の目だ。

1分前。空ぶかしの音がいよいよ激しさを増して緊張はピークに達する。Tomyはスターティング・グリッドで全神経をスロットルに集中して合図を待つ。

“パーン! パパパパパパパーン!”

戦いの火ぶたは切って落とされた。Tomyは前傾姿勢で飛び出していく。和船なんだから、そこまでしなくてもいいだろってぐらいの前傾姿勢。もう競艇選手になりきってるからおかしい。フライングギリギリのロケットスタートだ。

本当にマジで競争している。前に出ようとするボートを決して許さない。Tomyは狙いを定めた三本杉に向かって一直線に突き進んで行った!

…とまあ、こんなぐあいにシーズンが開幕するわけだが、花火の合図は気分が高揚していいもんだね。この音を聞くと1年がはじまるという気がする。皆さんも大物賞を目指していると思うが、今回は解禁日の諸注意などを書いてみようと思う。

冒頭に書いた通り、芦ノ湖の解禁日にはモーターボートの先陣争いが繰り広げられる。これを1度でも味わうと“やめられない、止まらない”ということになってしまうのだ。オカッパリやローボートでは到底味わえない興奮が味わえるのだ。

この興奮を味わいたければモーターボートの予約は11月中に済ませておくように。モーターボートは数が少ないから年を越したらまず無理だと思う。

それから、もうひとつ注意しなければならないことがある。それはスタッドレス・タイアかチェーンを準備すること。

94年の解禁日は何年ぶりかで雪の解禁日だった。Tomyのパートナーが湖に来られなくなるほどの雪が降り、仙石原あたりでは20センチほどの新雪が道路を覆った。Tomyは箱根湯本で早目にチェーンを装着して難を逃れることができたが、坂を登れなくなって遅刻した人が多かったのだ。

急坂の途中でチェーンを装着するのは大変危険だから、念のため箱根湯本か御殿場でチェーンを装着した方がいいだろう。路面状況のチェックは各ボート屋に問い合わせたり、箱根の天気予報を聞けばわかる。

最悪のことを考えると、解禁日の前売券は馴染みのボート屋さんにお金を渡して頼んでおくのがベストだね。そうすれば急病などで行けなくなったときに誰かに転売してもらえる。(常連でないとできないよ)

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あと、気がかりなのは最初に狙うポイントをどこにするかということかな? 今年初めてルアーが投入されるポイントだから、そこに大物がいれば、かなりの確率でヒットするだろう。

だからモーターボートはオカッパリの人達が手を出せない立岩、三本杉、小杉ノ鼻、カエル石などを目指したがる。でも、意外にもその年のチャンピオンは各ボート屋の桟橋付近で生まれたりするのだ。“灯台下暗し”とはまさにこのこと。水温の高い桟橋付近に大型魚(70cm以上)がウロウロしている確率は非常に高いと思う。

桟橋周辺を狙うなら、1投目から10投目ぐらいが勝負。それ以後は魚が周囲の異変に怯えて沖に逃げ去ってしまう。最初からとっておきのルアーもしくはフライを付け、全神経を1投目から集中しなければならない。

ドラッグを締め過ぎていないか? スナップ・スイベルはちゃんと閉じたか? 結節部の衝撃テストはしたか?

これらはTomyが過去に犯した過ちの教訓だ。読者の皆さんは大丈夫だと思うが、Tomyのようなオッチョコチョイは必ず確認したほうがいい。

最後に、表彰台に上がるためにはどれぐらいの獲物が必要かを書いておこう。まず、2月の最終土、日曜に行われる Ashinoko Super Dream Cup では、対照魚がレインボーとブラウンの2部門で、3月1日の本解禁では、その他にブラックバスの部と雑魚の部というのがあるのを知っておきたい。

実はTomy、93年の解禁日に雑魚の部3位になるはずのイワナ(37センチ)を釣っていたのだ。でも、37センチはレインボー、ブラウンではお話しにならないサイズでしょ。検量所に持って行かなくて賞品をもらい損ねてしまったのだ。

まあ、3位だから後悔もしていないが、もらえる物はもらわないと損。イワナ、コーホサーモン、ブラックバスなどが釣れた時は一応検量所に持って行こう。35cmぐらいでも賞品がもらえる可能性は十分にある。

それから、レインボーに関しては年を追うごとに表彰台に上がるのが厳しくなっている。70cmオーバー、しかも80cmに近い大きさでないと上位に入れなくなってしまった。3位以内に入るには例年70cmオーバーが必要。ブラウンなら50cmぐらいでも可能性があるけど。

だから、少なくとも最初だけは70センチが確実にキャッチできるタックルを使わないといけない。その際、意外な盲点はスナップスイベルだ。これがブチ壊れて超大物を逃がしたことがあるので皆さんも気をつけてほしい。

それではみなさん、頑張って大物賞を狙いましょう! 1位の賞品は箱根宿泊券10万円分とよりどりみどりの釣り道具だよ。


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