ボイジャー

1ページ目(全2ページ)

1997年2月26日

アンコウと Tomy は同じ大学出身の釣り友達だった。彼がなぜアンコウと呼ばれていたかというと、何しろ彼の口がデカかったからである。

これはアンコウの失敗談である。彼は自作ミノーのテストをするために神奈川県秦野市から、はるか遠い琵琶湖を目指して東名をひた走っていた。彼はエア・ブラシを購入し、自作のミノーにアユのカラーリングを施したのだった。大井松田インターから東名に入ったアンコウは沼津あたりで車の異変に気づいた。

『ん? なんか焦げ臭い』

彼は急いでパーキング・エリアに入り、ボンネットを開けた。しかし、異常はない。念のためにトランクも………。

VoyagerOh My God ! !

何と、バッテリーの電極にカーボンロッドが触れて

☆ショート★

車両火災が発生していたのである。もう少し気づくのが遅れたら、彼の車は文字通り火の車になっていただろう。

ちなみに、彼のバッテリーは Voyager であった。読みようによっては「ボヤじゃー」と読めないこともない。

夜釣り

Tomy が大学生の頃の話である。彼は頭壊大学釣魚部という集団の一員であった。この釣魚部の部室にはいつも誰かがいる。面白くない大部屋授業の時は出席カードを提出するやいなや、ここに集合するのだ。

アンコウと Tomy は、いつもここで落ち合って釣りの作戦を協議する間柄であった。Tomy が文学部、アンコウが工学部で、部室は両学部のちょうど中間にあった。

ジタバグ6月のある日、アンコウが突然、

「そうだ、河口湖に行こう!」

と言いだした。 時刻は午後の4時。

「これからぁ?」

「ナイト・バッシングさ」

2人はアンコウの車にバスロッドとウェーダー、それにヘッドランプを放り込んで急きょ河口湖に向かった。そして、午後7時ごろから釣り始め、夜中にコンビニへ行った時間を除いて夜通しバスを釣り続けたのである。使用したルアーは Tomy がジタバグ、アンコウがフラホッパーだった。

2人は意地になって数を競い合った。午前7時を終了と決めて、2人の一騎打ちは延々と続いた。ルアーを付け替えるヒマも惜しんだので、Tomy は夜通しジタバグをポコポコと引き続けることになった。当然ながらアンコウもまた然りである。

して、その結果は? 驚くなかれ50対50の引き分け。

誰かさんの釣り日記を読ませてもらったが、1年分足しても50に満たない人が結構いるようだ。Tomy にはとても信じられない。それほど今のバスはスレているのか? だとすれば、いい思い出だけが残るように、バス釣りはこのまま封印しておこう。

注意! 現在の河口湖はナイト・フィッシング禁止です。


NEXT